しあわせ情報室

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就職氷河期世代の生き方を考える本その3 『ゼロ』(堀江貴文)~真の姿は努力の人

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はじめに

堀江貴文さんは1972年10月生まれ。生まれた月まで私と同じ、団塊ジュニア世代のど真ん中です。簡単に経歴を振り返ると、東大在学中の1996年4月に23歳で起業。2000年東証マザーズ上場。2004年プロ野球近鉄、翌年ニッポン放送の買収を仕掛ける。2005年には衆院選にも立候補。2006年1月逮捕。2011年6月収監。2013年3月仮釈放。波乱万丈です。

堀江さんの起業と同時に、私もサラリーマンとして社会人の第一歩を踏み出しています。まさしく就職氷河期の同世代の人。

著書についてはこれまで、2003年の『100億稼ぐ仕事術』と2018年の『10年後の仕事図鑑』(落合陽一さんとの共著)を読んでいました。 

この『10年後の仕事図鑑』の中で、堀江さんは「未来のことを考えず、今を懸命に生きることが大事」と書いています。

これと同じ内容を稲盛和夫さんの本の中に最近見つけ、他の堀江さんの本もいくつか読んでみました(関連記事>>>夢や目標と計画について。稲盛和夫さんは大きな夢を掲げ、一年だけの計画を立て、一日だけを懸命に生きた)。

ゼロ―なにもない自分に小さなイチを足していく』は、服役していた長野刑務所から2013年3月に仮釈放された後の、完全書き下ろし第一弾の本 (p30) です。 

この本のおわりに堀江さんは、自身についてはっきり「努力だけでのし上がってきた人間である」と書いています。

最後の一言は、「はたらこう」です。

これらは私の持ついまの堀江さんのイメージとは違い、驚きました。本の中で語るこれらのことばの意味は、現状にモヤモヤしている私のような中年にも、ぐっと心に響きます。

 

「ゼロ」の意味

 

まずはタイトルの「ゼロ」の意味です。こう語ります。

 

人が新しい一歩を踏み出そうとするとき、次のステップに進もうとするとき、そのスタートラインにおいては、誰もが等しくゼロなのだ。

 

そして、「ゼロになにを掛けたところでゼロのまま」「まずはゼロとしての自分に小さなイチを足す」「人生にマイナスなんて存在しない」「たとえすべてを失っても、再びゼロというスタートラインに戻るだけ」「なによりも危険なのは、失うことを恐れるあまり、一歩も前に踏み出せなくなること」と続きます。

1年9ヶ月間の刑務所での服役を終えてのことばだけに、重みがあります。

 

堀江さんは若い世代からの相談の答えとして語っていますが、中年の私たちも同じはずです。

 

「できっこない」とあきらめない

 

やりたいことがないという学生からの質問に、こう答えます。

 

やってもいないうちから、「できっこない」と決めつける。自分の可能性にフタをして、物事を悲観的に考える。

「できっこない」という心のフタさえ外してしまえば、「やりたいこと」なんて湯水のようにあふれ出てくる。

 

団塊ジュニア世代も、このまま会社で働く、転職、副業、独立、起業など、いろいろ選択を迫られています。ここで「できっこない」と思ったら、それまでです。

 

若宮正子さんは80代でアプリを開発し、大ヒットです!style.nikkei.com

 

「努力」の重要性

 

努力についての堀江さんのことばを、じっくり読みます。

 

成果に向かって全力疾走することを「努力」と呼ぶなら、努力するなんて当たり前のことだ。

 

挑戦と成功の間をつなぐ架け橋は、努力しかない。

 

努力の重要性を説くなんて、ホリエモンらしくないだろう。

地道な足し算の積み重ねなんて、ホリエモンには似合わないだろう。

けれど、これが真っさらな「堀江貴文」の姿なのだ。

 

もう一度言おう。

成功したければ挑戦すること。

挑戦して、全力で走り抜けること。

その全力疾走のことを、人は努力と呼ぶ。

 

本人が言う通り、これが堀江さんの真の姿でしょう。

 

松下幸之助、本田宗一郎、井深大、稲盛和夫、永守重信、柳井正、孫正義、三木谷浩史、藤田晋、前澤友作など、起業家はみな同じ。 

「寿司職人が何年も修行するのはバカ」というツイッターで炎上した堀江さんの発言がありますが、『 多動力』にある説明を読むと、情報がオープンになった時代に、長大な時間を修行や下積みに費やすことが不要と言っているだけで、努力が不要とは一切言っていません。

 

好きなことに「ハマる」

 

最近の堀江さんの一貫したメッセージはこれでしょう。

「好きなことにハマれば、お金なんて稼げるようになる」

『ゼロ』では自身が、小学生で百科事典、中学生でパソコンとプログラミング、高校生で英語の丸暗記、大学生でヒッチハイクとインターネットにハマり、小さな成功体験を積み重ねてきたことを書いています。

 

これらにハマってきた体験が、堀江さんの原点なのですね。

「何事も得意だとか苦手だとかいう先入観で物事を判断せず、目の前の作業にハマってしまえばいい」と言いますので。

 

骨太の仕事論

 

上で紹介した以外にも、骨太の仕事論がいくつも出てきます。

 ・小さな成功体験を積み重ね、自分の殻を打ち破る
・仕事でも人生でもキョドってしまうのは、ひとえに「経験」の問題
・経験は自らが足を踏み出した歩数によってカウントされる
・目の前に流れてきたチャンスに躊躇なく飛びつく
・多くのビジネスマンは「労働」でなく「時間」をお金に換えている
・仕事を我慢の時間にしてしまうのはどう考えても間違い
・お金を「もらう」だけの仕事を、お金を「稼ぐ」仕事に変える
・やりがいとは「見つける」ものでなく、自らの手で「つくる」もの
・没頭すると、仕事が好きになる
・遠くを見すぎず、今日1日、目の前の1時間を100メートル走のつもりで全力疾走
・ここでいいやと満足した瞬間、思考停止に突入する
・自らの生を充実させるために働く
・刑務所生活で得た気づきは「自由とは、心の問題なのだ」ということ
・「自分の時間」を生きるのか、「他人の時間」を生かされるのか
・「いま」に全力を尽くす。将来の自分とは、その積み重ねによって形成されていく

 これらは、稲盛和夫さんが著書で語る内容と全く同じだと、私は思います。 

【2019.12.27 追記 堀江さんと稲盛さんの決定的違い】
堀江貴文さんと稲盛和夫さんの決定的な違いは「家族経営」。そして稲盛さんはずっと人に厳しい。

 

はたらこう

 

今年の2月に『僕たちはもう働かなくていい』という本が出ています。

内容は、実は富が有り余っていて、完全自動栽培で食料が無限に得られるこれからの時代は、好きなこと、楽しいこと、遊びで、いまよりさらにお金を稼げるようになるというものです。 

ことばは違えど、『ゼロ』に書いてあることの延長ですね。

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全ての羨望は、向上心に転換可能

 

文句をつけてくる人に対しては、こう言います。

 

成功者をバッシングするのか、それとも称賛するのか。

これは「嫉妬心」と「向上心」の分かれ道であり、ゼロにイチを足せるかどうかの試金石である。

 

正直に言えば私も、同世代や年下で成功している人を見ると羨ましいです。

最近のニュースでは、前澤友作さんが館山市に20億円をふるさと納税するとのこと。20億円! 全く想像できません。

この感覚を、「嫉妬心」にするか「向上心」にするか、問われていますね。


堀江さんの生い立ち

 

小学生から大学生で起業するまでの生い立ちをはじめとした、プライベートな部分もいろいろ書いています。

両親とも高卒で共働きだったり、親に20万円借金してPCを買い新聞配達で全額返済したり、高校で落ちこぼれたり、大人になっても女性の前でキョドっていたり。

結婚、育児、離婚についても出てきます。

私も中学生のときに新聞配達をしていました。同じように地方で高卒共働きの両親に生まれ、大学入学で上京した一人として、懐かしく読みました。


堀江さんの最近の本と『ゼロ』について

 

2017年発売の『多動力』に「ベストセラーはコピペ本」とあります。ほとんどの本は、編集者とライターがインタビューしてまとめているものだそうです。

中でも2015年に出した『本音で生きる』は、過去何度も言ったことをライターに聞かれて心底退屈で怒ったが、30万部を超えるベストセラーになったとのこと。以降は取材時間さえゼロで発刊を進めたいと書いています。 

確かに、今年4月に出た『多動力』の文庫版の箕輪厚介さんが書いた解説には、堀江さんは最近は取材すら受けず、ツイッターやメルマガから拾って勝手に本にしてくれと編集者に言っている、とあります。

お二人らしく包み隠さず書いてくれているので、最近の本は「堀江語録」だと思ってうまく付き合いたいですね。

 

一方でこの『ゼロ』は、2013年発刊の出所後の書き下ろし第一作で、堀江さんも営業で全国の書店回りをしたそうです(『99%の会社はいらない』より)。力を入れて作った本なのでしょう。

 

まとめ

 

この本のメッセージを3つにまとめるなら、私はこうします。

まずは誰もがゼロ。ゼロに小さなイチを足す。
挑戦と成功の間をつなぐ架け橋は、努力=全力疾走しかない。
遠くを見ず、目の前のことに没頭し、ハマれ。

これは若い世代だけでなく、人生の転機にいる誰にでも同じはずです。

 

振り返れば堀江さんは、執行猶予狙いで安易に罪を認めることはせず、最後まで無罪の信念を貫いた骨太の人物です。

そしてマスコミに登場する前から、発するメッセージははっきりとしています。

 

堀江さんのメッセージに賛同でも反対でも、そこから何か刺激をもらえる、同い年の私にとってヒーローの一人だと、『ゼロ』を読んでまた確信しました。