「親指シフト入力 導入記 3(教科書編)」に続く、「練習編」です。
習得にかかる練習時間の情報をまとめ、これまでの練習を振り返ります。
習得にかかる練習時間は?
まず、親指シフト入力の練習をどんなペースで進めるべきなのか、前回の記事で紹介した3つの教科書の内容を確認します。
・親指シフトキーボード入門
FUJITSU Software Japanist 技術情報 – 富士通
ここで親指シフトの練習に、1日30分で1ヶ月(約15時間)を費やしたとしましょう。
練習に集中してしまい、長時間続けてしまわないように注意しましょう。あらかじめ30分程度に目安を決めて、適度に休憩することが必要です。
また、一日に何時間も続けて練習するより、毎日継続して練習する方が良いでしょう。
・NICOLA派宣言
NICOLA派宣言 | NICOLA 日本語入力コンソーシアム
キーボードマスターは自転車の練習に似ている。 ある程度乗れるようになるまで、集中して練習することが大切だ。 この間に、脳から指先にかけての神経回路を作り上げるのである。 毎日5分の練習では、なかなか走れるようにならない。 最初に数時間、次も数時間、その次も数時間を単位にすべし。
・習得の掟7つ
03256-131010 【親指シフト】習得の掟7つに – shiology.org
掟その2 ── 親指シフト始めたら親指シフトのみ
決してローマ字入力しない。人間が何かのスキルを身に付けるには、蓄積が必要です。繰り返し、繰り返し練習を続けるのです。それが必要な量たまったら、飛躍的に進歩します。飛躍に必要な蓄積量のことを閾値(いきち)といいます。閾値を超えるまで、ひたすら一意専心。練習あるのみです。shioの場合、一日5時間以上練習したら3日で実用的な速度で打てるようになりました。
親指シフトキーボード入門では「長時間続けない」、NICOLA派宣言と習得の掟7つでは「最初の数日は毎日数時間続ける」、と見解が分かれています。
そういえば勝間和代さんが、著書の『効率が10倍アップする新・知的生産術』にこう書いています。
親指シフトの専用キーボードや練習帳を買ってきて、つないで練習したところ、3日間でこれまでのローマ字入力のスピードにほぼ追いつくことができました。
勝間さんのブログにはこうあります。
「今からでも親指シフトを習うべきですか」という質問に対する、現在の私の考え方 – 勝間和代が徹底的にマニアックな話をアップするブログ
どうも私はエレクトーンをずっと弾いていたせいなのか(エレクトーンは右手と左手と足を同時に操作をするので1度に違うことを右手と左手で同時にすることに慣れていました)、比較的もともと指先が器用だったせいなのか、理由はわかりませんが1週間ぐらいで大体の親指シフトのキーボードの位置を覚えてしまい、数週間もすればローマ字入力よりもずっと速くなったので、それ以来ずっと親指シフトを愛好しています。
3日とはすごい! なるほどエレクトーンですか…。
もしやと思い、「習得の掟7つ」を書いた塩澤教授のプロフィールを確認すると、ピアノを5歳から習っているとあります!
実際に親指シフトの練習をしてみると、親指と他の指で同時に打鍵するのは、ピアノやエレクトーンを弾く指使いと似ているんだろうな、と感じます。
親指シフトの習得にかかる期間は、勝間さんや塩澤教授のように子どものころにピアノやエレクトーンを経験していると、短時間の集中練習だけでOKな可能性があるのではないでしょうか。
未経験者は「NICOLA派宣言」にある通り、異なる方式を途中で混在させないで練習して、3日間で「なんとかなる」、3週間で「打てる」、3か月で「快感」、が現実的なところだと思います。
理想は最初に1日数時間の練習を3日程度集中してやって、その後は他の入力方法を一切使わず実践していくことでしょう。
しかし、サラリーマンなど勤め人の立場の人が、習得前に職場で親指シフトで打っていたら、「練習は家でしろ!」と上司に怒られるのがオチです。
最初は周りからすると、遊んでいるようにしか見えないですから。
そこで、親指シフトキーボード入門にある通り、1日30分でも毎日継続することが重要になるんだと思います。
ローマ字入力との混在はいたしかたなし。
それで1ヶ月が目安というところでしょう。
私のこれまでの練習の振り返り
昨年末に会社を辞めて定職がないので、経済的にはあまり時間がなくても、親指シフトで入力していて他人に怒られることは、幸いにもありません。
ローマ字入力で数字以外はタッチタイピングできていたところからのスタートです。
ピアノやエレクトーンの経験はありません。
初日から10日目の今日まで、こんな感じです。
- 初日に「NICOLA派宣言」の頻出語句の練習から開始。全く指が動かず、「親指シフトキーボード入門」のホームポジションからの練習に切り替える。
- 1日4時間、2日間練習するも全くできるようになる気がせず。
- 3日目に各教科書を熟読。またここで掟の禁を破り、速度の記録をとっておくためにタイピング練習ゲームの「寿司打」をローマ字入力で何回かやってみる。逆にこれで、掟にある「お化けの手、猫の手、ピアノの手」の感覚をつかむ(ような気がする)。
- 4日目から「NICOLA派宣言」のテキストの練習開始。
- 5日目から練習に並行してブログを書き始める。
- 8日目に6割くらいタッチタイピングできていることに気づく。
- 9日目で9割タッチタイピングできている。
- 10日目で、もうローマ字入力には戻りたくないと感じている。
私の中の大きなブレイクスルーは3日目で、ここで各教科書を読んで配列の特徴を頭で理解したことと、掟の禁を破りローマ字入力で早打ちをして手の形の感覚を何となくつかんだことです。
慣れない入力方法を覚えなければと肩や指に力が入り、タッチタイピングそのものの基本を忘れてしまっていたようです。
ローマ字入力時代の手の形や力加減の感覚を思い出すことで、指がスムーズに動き始めました。
現在特にうまく打てないのは、「X」「C」などローマ字入力では使わないキーです。
これらのキーを打つ指の形の感覚が無いからでしょう。
ここを集中して練習すれば、何とかなりそうな気がします。
試しに先ほど「寿司打」をしてみたところ、レイアウト図をチラ見しながらでローマ字入力時代の1/4のスピードでした(汗)。
速さはダメダメですが、頭の中でローマ字に変換しないせいか、5本の指をバランスよく動かすせいか、不思議と頭がスッキリしています。
ところで超有名はてなブロガーのフミコフミオさんは、ブログをガラケーで書いていると前に言っていました。
今はどうか不明ですが、あのリズミカルな文章の秘密は、ローマ字入力でブログを書いていないからかもしれませんね。
今は練習のために、Google日本語入力の予測変換機能をあえて使わずにいます。
どうしても速く打ちたいときは予測変換を使えば、それほどストレスを感じません。
以上、親指シフト入力の練習についての情報まで。
導入記のエントリーの連投はいったんここまでとなります。
これからチャレンジする方の参考に少しでもなると、幸いです。
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