【2020年11月24日 追記】
お気に入りの角川必携国語辞典は1995年の初版発行から改訂がないため、後継を選ぶために小型国語辞典13種を購入して検討してきましたが、やはり角川必携国語辞典を最初に引くことに決めました。
理由は、「つかいわけ」のコラムや国語・百科・漢字・古語の内容が高度に融合していることなど、角川必携国語辞典にしかない特長を他では代えられなかったことと、改訂がなくても省庁名や国名で変更があるものは改版で対応しているからです。
詳細は以下の記事に書いています。
・角川必携国語辞典の魅力は「つかいわけ」と国語・百科・漢字・古語の高度な融合
・角川必携国語辞典は改訂がなくても大きく改版している! 今さら気づいた!
ぼろぼろになるまで、角川必携国語辞典を使い込みます!
【以下、2019年9月時点の内容】
これまで愛用してきた『角川必携国語辞典』は、1995年10月の初版発行から24年近くも改訂がありません。
最近の日産のニュースでよく出てくる、「アライアンス」「ガバナンス」「コンプライアンス」の3語とも立項しておらず、このまま使い続けるにはさすがに不便を感じます。
関連記事:三省堂国語辞典の新語の強さが 日産のニュースでわかりました
編者の大野晋先生はすでにお亡くなりになっているので、今後の改訂は期待できそうもありません。
そこで後継として、一番目に引く国語辞典をどれにするか考えてきました。
この7月初めに3冊だった辞書は、

2ヶ月後の現在、16冊になっています。

新明解国語辞典が版と刷違いで4冊あるので、全13種です。
これで気になる辞書は、すべて揃いました。
ここから後継の辞書を選ぶにあたり、情報整理のため、それぞれを買った理由を購入した順にまとめておきます。
1.角川必携国語辞典 初版
『井上ひさしと141人の作文教室』を読み、文章を書くためには辞書をそばに置くことが大切だと知る。
そしてこの本のおすすめが、角川必携国語辞典。
理由は井上ひさしさん曰く、日本の国文法学者として第一人者である大野晋先生が長年かけて作った辞書で、「書く立場に立ったとき、どう言葉を使い分けるか、とくに『語感』がよく書かれている」(p46)から。2008年7月頃に購入。
※長くこの一冊だったが、2018年11月頃、何かのきっかけでサンキュータツオさんの『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』(角川文庫)を読み、辞書それぞれに個性があることを知る。
ここから、国語辞典集めがはじまる。
2.新潮現代国語辞典 第2版
文学作品を出典とする用例の豊富さに惹かれる。
ふとアマゾンでチェックすると新品の販売がない。
出版社に確認すると増刷の予定はないそうで、急ぎ近くの書店で購入した。
3.明鏡国語辞典 第2版
別冊の「明鏡 問題なことば索引」が欲しかった。
※最新版
4.旺文社国語辞典 第11版
ツイッターで日向坂46の宮田愛萌さんが愛用しているのを知る。
また、ながさわさんの「四次元ことばブログ」で★4つと評価が高く、欲しくなる。
※このブログ記事で推しています>宮田 愛萌公式ブログ | 日向坂46公式サイト
※2020年重版で「令和」の立項や「天皇誕生日」の修正などされています。
5.三省堂国語辞典 第7版
ブログのプロフィールに「男」「男性」「男子」のどれを使うか迷う。
三省堂国語辞典を引くと「男子」の用例で「男子従業員募集」「男子百メートル決勝」とあり、「男子」は子どもから大人までOKと納得。
欲しくなる。
6.現代国語例解辞典 第5版
角川必携国語辞典で気に入っている類義語の使い分けの説明を、この辞書では表で説明している。
その工夫を、手にとって確認してみたくなる。
7.岩波国語辞典 第7版新版
「生きる」を辞書で引き、角川必携国語辞典に「息と同源」と書いてあることに感銘を受ける。
小型国語辞典で角川必携国語辞典の他にはこの辞書だけがこの内容を書いていて、欲しくなる。
「生き」と「息」の語源が同じとすると、よく生きるためには、よく息をすること、よい呼吸をすることが必要なのかな、と気づく。こういう学びがあることが、『角川必携国語辞典』のすごいところだと思う。
— 健伝 (@kendenblog) July 27, 2019
※最新版
8.集英社国語辞典 第3版
サンキュータツオさんが「学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方」(角川文庫)で最初に引く辞書と書いてあり興味を持つ。
店頭で実物を見て、その大きさと厚さに躊躇していたが、やはり欲しくなる。
9.新明解国語辞典 第7版
第4版を2冊、第3版を1冊持っていて、最新版をどうするか迷っていたが、やはり販売数ナンバーワンの辞書ははずせないと考え購入。
※最新版
10.ベネッセ表現読解国語辞典 初版
表現に特化した独特の辞書ということで、手にとって味わってみたかった。
11.新選国語辞典 第9版
「介護」の語釈の比較をしたとき、唯一独特の語釈を披露してくれた。
新選国語辞典の「介護」の語釈は「医師や看護師以外の者が病人・障害者・高齢者の世話をすること」。医師は治療、看護師は看護だからでしょう。正確ですがそこまでは教えてくれないクールさ。他とは一線を画す独特なところ。サンキュータツオさんの本のイラストのキャラの通り!じわじわ来ています。 pic.twitter.com/FrnbtZzCka
— 健伝 (@kendenblog) September 10, 2019
12.三省堂現代新国語辞典 第6版
話題になった新語の積極的な採用よりも、類義語の使い分けの囲み記事や漢字の書き順など内容が角川必携国語辞典と同じで気になっていた。
近くの図書館に蔵書のリクエストを出したら買ってくれて、記念に私も購入。
13.学研現代新国語辞典 改訂第6版
三省堂現代新国語辞典を買うなら、こちらも手元において比較しなければならないだろうと購入。
以上です。
「介護と看護の違いがわかる国語辞典は? 17種の比較と評価」の結果を踏まえて、一番目に引く辞書をどれにするか、実際に辞書を使いながらじっくり考えます。
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