連日、日産のゴーン会長逮捕のニュースが流れています。
国語辞典のおもしろさにはまっている私は、ニュースの内容以上に、西川社長が記者会見で話した「アライアンス」や「ガバナンス」、「コンプライアンス」ということばが、国語辞典に載っているか気になってしまいます。
愛する『角川必携国語辞典』には、3語ともありません。予想通り。仕方ない。「新井白石」「コンスタンティヌス (古代ローマ皇帝) 」 は載ってるんですけどね…。
こんな時は、新語に強い『三省堂国語辞典』でしょう。3語ともあります。語釈もすっきりわかりやすい。
「アライアンス」 企業同士の提携。また、提携したグループ。
「ガバナンス」 支配。統治。
「コンプライアンス」 法令を遵守すること。
「カバナンス」は、この語釈だけではニュースの理解は不十分でも、ちゃんと「コーポレートカバナンス」を参照せよ、と記載があり、
「 企業が適切に経営されるように、株主などが監視する仕組み。企業統治。」
と意味が書いてあります。ここまで読んですっきりですね。
他の国語辞典も調べましたので、ご参考に。
「アライアンス」
〇 三省堂、新明解、明鏡
× 岩波、新選、角川必携
「ガバナンス」
〇 三省堂、新選
× 岩波、 新明解、明鏡 、角川必携
「コーポレートガバナンス」
〇 三省堂、 新明解、 明鏡
× 岩波、 新選 、角川必携
※新選は、ガバナンスの用例でコーポレートガバナンス(企業統治)とあるのみ。
「コンプライアンス」
〇 三省堂、 岩波、 新明解、 明鏡、 新選
× 角川必携
「コンプライアンス」は、お堅い『岩国くん』に載っていることからも、社会に定着しているということでしょう。『必携くん』は1995年の初版以降、改訂がないのがつらいところですね。
また、『三国くん』によると、「カバナンス」「コーポレートガバナンス」も「社会常識語」とのこと…。
「新語に強い」「新聞・雑誌・書籍・放送・インターネットなどの実例を採集」という 『三省堂国語辞典』のキャッチコピーは、だてではありませんでした。