しあわせ情報室

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社会人が文章を書くための国語辞典に おすすめは角川必携国語辞典

角川必携国語辞典
(上から2015年発行の13版、2010年発行の10版、1995年発行の初版※箱入り永久保存版)

ちょうど1年前から、愛用していた角川必携国語辞典の後継探しをはじめました。1995年の初版発行以来、改訂がないからです。

主要な小型国語辞典を17種*1そろえ、一番目に引く国語辞典をいくつか試してきた結果、今また角川必携国語辞典を最初に引いています。

その理由とここまでの検討の経緯を、以下にまとめます。

 

検討の経緯


・社会人として少しでも文章が上手になりたいと、『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』(井上ひさし)を読み、井上ひさしさんおすすめの角川必携国語辞典を買う(2008年)

・『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』を読み、他の国語辞典に関心を持つ(2018年)

・角川必携国語辞典が1995年の初版発行から一度も改訂がなく、最近定着したカタカナ語や新しい用法がないため、後継を探すことにする

・2019年7月~9月に主要な小型の国語辞典を全種そろえる

・「介護」と「看護」の違いわかる国語辞典を調べ、岩波国語辞典を後継に検討(>>>「介護」と「看護」の違いがわかる国語辞典はどれだ? 小型から大型まで17種の比較と評価

・「類義語の比較」を比べ、三省堂現代新国語辞典を後継に検討(>>>『三省堂現代新国語辞典』の「類義語の比較」の充実ぶりを評価する

・高校生のおすすめの国語辞典を考え、旺文社国語辞典を後継に検討(>>>高校生向けの国語辞典を比較し おすすめを考える【2020年版】

・中学生におすすめの国語辞典を考え、例解新国語辞典を後継に検討(>>>中学生向け国語辞典を比較しおすすめを考える 中学受験にも【2020年版】

・物書堂のセールで三省堂国語辞典新明解国語辞典のiPhoneアプリを買い、すでに持っていた大辞林とあわせてスマホをメインに使うことを検討(>>>「日本語がよく分かり、よく使える」ために 国語辞典を引く理由と紙の辞書の長所を整理

・角川必携国語辞典が全面的な改訂はなくても、役所名や国名などの固有名詞の内容を増刷時に改版していることを知る(>>>『角川必携国語辞典』は初版から大きく改版していることに 今さら気づいた!

 

角川必携国語辞典に戻ったきっかけ

 

最近、ブログに「いざなう」ということばを使おうとして、「いざなう」と「さそう」のどちらがしっくりくるか、そもそも違いは何か、国語辞典で調べました。

まず「岩波国語辞典」を引きます。「いざなう」の説明です。

 

さそう。すすめる。さそい出す。先導する。「夢の国へ―」▽やや古風。

 

特長である▽(注記)に、「やや古風」とあります。古風なだけではないニュアンスの違いもあるように感じますが、その差はわかりません。

次に「三省堂現代新国語辞典」を引きます。「いざなう」の説明です。

 

誘って連れて出る。「旅に―」[類]勧誘する。

 

「さそう」との違いは、よくわかりません。

次に、角川必携国語辞典を引きました。「つかいわけ さそう・いざなう」のコラムがあります!

 

「さそう」は、そうしないかと相手をうまくその気にさせる。「映画にさそう」。「いざなう」は、相手に、いざ、いざ(さあ、さあ)とはたらきかけて自分側の世界に引き込む。「音楽の世界へいざなう」。

 

「いざなう」は、「いざ、いざ」とはたらきかけること!

「さそう」と「いざなう」の微妙な意味合いの違いが、よくわかる説明ではないでしょうか!こんなコラムうがあったとは!

他にも類義語の使い分けの説明がある、現代国語例解辞典、旺文社国語辞典、学研現代新国語辞典を引きましたが、どれにもこのような解説はありません。

もう10年以上「角川必携国語辞典」を使ってきたつもりでしたが、この辞書を全く使い込めていないことにここで気づきました。

 

まとめ

 

角川必携国語辞典には、確かに1995年の初版の発行以降に定着したような外来語や用法はありません。

しかし私はもっともっと、編者の大野晋先生が伝えようとした「日本語の精密な、微妙な表現」(※序文より)を、この辞書から学びたいとはっきりわかりました。

「いざなう」を引いて「いざ、いざ」と、この辞書の世界にまた引き込まれたかのようです。

最近のことばは、三省堂国語辞典と大辞林をスマホで見ればいい。

 

私が国語辞典を使う主な理由は、仕事やブログの文章を書いていて、ことばの使い方を確かめたり、よりしっくりくる表現を探したりするためです。

そのために大野晋先生はこの辞書の序文に、「二つの似た意味のことばのちがいを鋭く受け取り、的確に使いわけるために、この辞書がぼろぼろになるまで使いこんでいただきたい」と書いています。

私も、この辞書をぼろぼろになるまでもっと使いこむことに決めました。

 

直接のきっかけは「いざなう」を引いたことですが、百科語の充実など他にもいくつか理由があります。

また、他に手にとることの多い国語辞典は現在、現代国語例解辞典、三省堂現代新国語辞典、岩波国語辞典、例解新国語辞典となっています。

この2つのことは、別の記事で紹介するつもりです。
>>>角川必携国語辞典の魅力は 国語・百科・漢字・古語の高度な融合
>>>角川必携国語辞典の他によく引いている国語辞典と その目的の紹介

以上、社会人が文章を書くための国語辞典に角川必携国語辞典をおすすめする、という話題でした。

>>>確認できた範囲では、2015年の13版から表紙の仕様が変わっています。冒頭の写真の通りです。最新版は2016年12月の14版のようです。

*1:角川必携、新潮現代、明鏡、旺文社、三省堂、現代国語例解、岩波、集英社、新明解、ベネッセ表現読解、新選、三省堂現代新、学研現代新、例解新、ベネッセ標準、旺文社標準、学研現代標準国語辞典