2週間前から、「瞑想」を生活に取り入れました。
毎朝15分ほど実践し、少しずつ落ち着いて座っていられるようになっています。
そこで、瞑想を始めるきっかけになった2冊の本と、いろいろ調べた中で一番わかりやすい本から学んで2週間試した、初心者向けのやり方を紹介します。
きっかけは『21 Lessons』と『運のいい人の法則』
一番のきっかけは、ユヴァル・ノア・ハラリ著『21 Lessons』で瞑想について読んだことです。
ベストセラーの『サピエンス全史』と『ホモ・デウス』の著者であるハラリさんは、 『21 Lessons』 で現代の重要な20のテーマを論考した上で、最後の21番目のテーマを「瞑想」にしています。
ハラリさんは毎日2時間瞑想し、毎年1カ月か2カ月は長い瞑想修行に行くそうです。
そして「瞑想の実践が提供してくれる集中力と明晰さがなければ、『サピエンス全史』も『ホモ・デウス』も書けなかった」と書いています。
現代を健全に生き抜くための最後の手段は「瞑想」なのかもと、刺激を受けました。
もう一つのきっかけは、リチャード・ワイズマン著『運のいい人の法則 (角川文庫)』です。
この本で、運のいい人は運の悪い人に比べて重要な決断を下す時にはるかに直感を信じていること、そして直感を高めるために「瞑想」を実践している人が多いことを学びました。
これまで読んできた仏教関連の本にも瞑想のすすめがあったり、グーグルが瞑想を取り入れていることを知ったり*1して、瞑想に興味は持っても実践まではしてきませんでした。
今回、西洋に生まれて心理学や歴史学を本格的に学んだ著者が瞑想をすすめる本を、2冊続けて読んだのも何かのめぐり合わせだろうと、思い切ってはじめてみました。
わかりやすいやり方は『はじめてのマインドフルネス』から
『21 Lessons』によるとユヴァル・ノア・ハラリさんは、はじめは瞑想は「ニューエイジのわけのわからない活動」だと思っています。
ところが実際に体験してみて、「瞑想の教えがどれほど実践的なものかを知って仰天」します。
ハラリさんが学んだ「ヴィパッサナー瞑想(ヴィパッサナーとは、古代インドのバーリ語で「物事をありのままに観察する」の意)」の方法は、次の通りです。
講習の指導者S.N.ゴエンカは受講生に、足を組んで目を閉じて座らせ、鼻から出たり入ったりする息に注意をすべて向けるように指示した。「何もしてはいけません」と彼は言い続けた。「自息をコントロールしようとしたり、特別な息の仕方をしようとしたりしないでください。それが何であれ、この瞬間の現実をひたすら観察するのです。息が入ってくるときは、今、息が入ってきていると自覚するだけでいいのです。息が出ていくときには、今、息が出ていっているとだけ自覚します。そして、注意が散漫になり、心が記憶や空想の中を漂い始めたら、今、自分の心が息から離れてしまったことを、ただ自覚してください」。これほど重要なことを教わったのは初めてだった。(p400)
この瞑想法を頭に入れて、手持ちと図書館のいくつかの本に目を通しました。
この中で、NHKまる得マガジンの『ストレスに負けない! 心のストレッチ はじめてのマインドフルネス』が、イラストつきの説明があり特にわかりやすい内容でした。
こんなイラストがあります。
この本によると、ポイントは次の通りです。
- 楽な姿勢で座る
- 背筋が伸びていれば、あぐらを組んでも、正座でも、いすに座ってもOK
- 手はお腹の前で重ねても、膝の上に上向きで置いてもよい
- 目を閉じて呼吸をする
- 自然に呼吸をして、それを心の中で「膨らみ、膨らみ」と実況する
- 息が出ていくときは、心の中で「縮み、縮み」と実況する
- 呼吸をコントロールしない
- 雑念が浮かんだら、無理に頭の中から消そうとせず、「雑念、雑念」とつぶやき、ラベルを貼る
- そして「戻ります」とつぶやいて、再び呼吸に注意を戻す
(※「うつ病などの治療を受けている人は、自分の判断では行わず、医師に相談してください」と注意書きあり)
禅の本では足を組む座り方*2が出てきますが、難しければあぐらや正座でいいようです。
さらに詳細なヴィパッサナー瞑想の解説は、アルボムッレ・スマナサーラさんの本がよさそうです。
『現代人のための瞑想法―役立つ初期仏教法話〈4〉 (サンガ新書)』(kindleで持っています)に、座るところや姿勢を整えるところからの詳しい解説があります。
私はこの『はじめてのマインドフルネス』の方法で、朝の瞑想をスタートしました。
朝だけでなく何か気持ちがモヤモヤしだしたら、イスに座ったまま何回か呼吸だけに集中するようにしています。
雑念が減ってきた?
最初は、30秒すら呼吸に集中できません。
はるか昔、昨日、今日、明日、そして将来のことが、次々に頭に浮かんできます。
雑念が浮かんでも気にしないようにしていると、3日目くらいには気がつくと5分くらい経っているようになりました。
そして今は、途中で雑念が浮かんでくることがあっても、あっという間に15分という感じになっています。
『はじめてのマインドフルネス』にある「雑念にラベルを貼る」は、まだうまくできません。
それでも効果としては、あれこれ雑念や不安で目の前のことに集中できなくなくなることが減ってきました。
ムダにネットサーフィンに時間を使ってしまうことも、少なくなったようです。
【※2020年10月14日 追記 訂正】
2020年10月11日に曹洞宗のお寺で1時間の坐禅会に参加しました。
そこで声をかけいてただいたある方は、14年も!坐禅会に参加しているそうです。
たった2週間の1日15分の瞑想で、効果うんぬんを言ってはいけないと思い知りました。
注意しているのは「がんばらない」こと
一つ注意しているのは、瞑想することを義務とは考えず、ただ純粋に、何も求めず座ることです。
「ブッダは平安を求めて頑張ることから解放されて、ただ身心を整えて坐ることに、真の平安を見出した」と、『ブッダが教える愉快な生き方』で学んだからです。
以上、『21Lessons』を読んで瞑想を始めたという話題でした。
これで直感も育ってきたらいいですね!!!
*1:『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか』(p213)「ビデオ会議の前に、1分間くらい瞑想をします。1分間、バソコンを閉じて、静かに自分の呼吸に集中してただ座っていましょう、ということです」
*2:「結跏趺坐」や「半跏趺坐」