明鏡国語辞典 第三版は「語彙力強化」と「発信用」のためにおすすめ

こどもが何にでも「やばい」を使っていたら、ほかにどんな言葉があると教えるか、いざ考えるとなかなか難しいものです。

また、自分が何か書くときにある言葉を使おうとして、その言葉の使い方が正しいのか不安になることがよくあります。

こんな場面に役立つ、「語彙力」の強化を助けてくれる国語辞典が「明鏡国語辞典」です。

改訂第3版の冒頭に、編者の北原保雄先生のこんな言葉があります。

新しい時代においても変わらず重要なのは、ことばの力、中でも、語彙の力である。
新しい時代に力強く生きてゆくためには、ことばを適切に使う能力を身につけることが大切だ。
それには、辞書を愛用して、語彙力を養うことである。

明鏡国語辞典は、そういうことを意識して編集し、改訂を重ねてきた。

いくつになっても、「ことばを適切に使う能力」は永遠の憧れです!

では、明鏡国語辞典が「語彙力の強化」と「発信用」にどう役立つか、改訂第3版の特長をいくつか紹介します。

目次
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「品格」欄でことばが見つかる!アプリ版には類語一覧も!

「品格」欄(※新設!)で、ふだんづかいの言葉を言い換えたり書き換えたりする類語用例つきで教えてくれます。

以下は「やばい」の品格欄。

明鏡国語辞典 やばい 品格欄

「やばい」のマイナスの意味も、プラスの意味も網羅しています。

類語欄のある国語辞典は他にもありますが、多様な類語を用例つきの一覧で示してくれるのは、明鏡国語辞典だけなのではないでしょうか。

この品格欄の索引が、巻末の見開きにあります。

明鏡国語辞典 品格欄一覧 索引

いっぱいいっぱい」「うざい」「さくっと」「すごい」「でも」「テンパる」「どや顔」など、ふだんづかいの話し言葉がとりあげられていて、読むだけでおもしろいです。

さらに!

アプリ版では一部の言葉に「類語一覧」が追加されています!

物書堂版のアプリで「テンパる」を引き比べてみます。

・明鏡国語辞典

明鏡国語辞典 テンパる
明鏡国語辞典 テンパる

新明解国語辞典

新明解国語辞典 テンパる

三省堂国語辞典

三省堂国語辞典 テンパる

この3つは収録語数が7~8万項目の、同じクラスの小型国語辞典です。

また、同じクラスで他に人気のある『岩波国語辞典』(※『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』の著者サンキュータツオさんはこの4つを国語辞典のビック4と呼ぶ)には、「テンパる」は項目にありません。

収録項目が約25万項目以上の中型国語辞典も引いてみます。

大辞林

大辞林 テンパる

大辞泉

大辞泉 テンパる

辞書の優劣はそれぞれに個性があり単純に言えませんが、「テンパる」の解説に限っては、明鏡国語辞典の圧勝です。

明鏡国語辞典語彙力を増やして発信に役立つ国語辞典であることが、よくわかります。

「品格」欄の「品格」という言葉の好き嫌いは別として、シンプルに用例つきの類語集とみると、とてもおもしろく使い勝手のいい内容です。

「誤用と正しい使い方の解説」で間違いに気づく!

明鏡国語辞典で初版から定評ある最大の特長は、誤用しやすい日本語を多く取り上げて注意点を教えてくれる点です。

今回の改訂では、第2版で分冊だった誤用索引が、巻末に「利活用索引」として組み込まれました。

明鏡国語辞典 利活用索引

一例として、「発覚」は陰謀や悪事について使う言葉で、単に明らかになる意味では使わないことや、「アニメ好きの血がうずく」は誤用(血が騒ぐとの混同」なことなどを教えてくれます。

「発覚」を引き比べてみます。

・明鏡国語辞典

明鏡国語辞典 発覚

・新明解国語辞典

新明解国語辞典 発覚

・三省堂国語辞典

三省堂国語辞典 発覚

「新明解国語辞典」と「三省堂国語辞典」では、「単に明らかになる」ことに「発覚」を使ってもOKに受け取れます。

「誤用」か「変化」か判断が難しいところでしょうが、少なくとも誤解される恐れのある言葉に注意をすることができます。

利活用索引にパラパラと目を通すだけでも、十分に楽しいです。

その他の「発信」に役立つ特長

この2つの注目点以外にも、発信に役立つ工夫があふれています。

「書き方」欄

「もうしこみ」と書こうとして、「申し込み」「申込み」「申込」のどれが正しいか、迷ったことがあります。

明鏡国語辞典の解説はこちら。

普通は「申し込み」、公用文では「申込み」、熟語では「申込」と、書き方がわかりやすい

参考までに、新明解国語辞典の「もうしこみ」の解説はこちら。

普通の国語辞典はこんな感じでしょうが、これでは用例に「-書」と書いてあっても、どう書いていいかわかりません。

巻末付録「伝えるためのことば」

第2版までの巻末付録「敬語解説」に、「接続詞のまとめ」と「手紙の書き方」が加わり、第2版では本文中のコラムだった「挨拶のことば」と「季節のことば」が移動して、「伝えるためのことば」(※新設!)としてパワーアップしました。

特に社会人に実用的だと感じるのは、「挨拶のことば」の中の「おわびのことば」と「感謝のことば」です。

明鏡国語辞典 感謝のことば
明鏡国語辞典 おわびのことば

メールやビジネスレターでちょっとした感謝やおわびを伝えたい場面で、なかなかしっくりくる言葉が見つからないときに便利です。

画数の多い漢字の拡大表示

例えば「語彙力」の「彙」のような読めても書くのは難しい漢字を、解説部で拡大表示してくれます。

明鏡国語辞典 語彙

手書きが必要なときに便利で、初版から引き継がれている特長の一つです。

以上、明鏡国語辞典の語彙力強化と発信に役立つ特長のまとめでした。

小型国語辞典ではこれまで「角川必携国語辞典」を一押しにしてきた私ですが、しばらく明鏡国語辞典を中心に引いてみて、語彙力強化ための工夫をじっくり味わってみることにします。

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