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『明鏡国語辞典』の特長のおさらいと 近日発売の新版に期待すること

国語辞典のビック4

新明解国語辞典 第八版』(以下 新明国*1)と『明鏡国語辞典 第三版』(明鏡)の発売まで、いよいよあと1カ月と少しになりました。

新明国が2020年11月19日発売、明鏡が同21日です。

【※2020年10月28日 追記 明鏡国語辞典の発売は12月14日に延期】

 

この2つと『岩波国語辞典』(岩国)『三省堂国語辞典』(三国)を、『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』の著者サンキュータツオさんは、国語辞典のビック4*2と名付けています。

ビック4のうち、2つの最新版がほぼ同時に発売とは、事件です

 

そこでこの記事では、明鏡の特長を序文を読み返しておさらいし、あわせて現時点の情報から第三版で期待することをまとめます。

 

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明鏡国語辞典 第二版のスペック

 

  • 出版社:大修館書店
  • 初版:2002年
  • 最新版:2010年
  • 版数:2
  • 収録語数:70,000
  • 総ページ数:1,954
  • 大きさ(タテ ヨコ 厚さ):179×128×50mm
  • 重さ:882g
  • 囲み記事・コラム:季節のことば、ことばと表現
  • 表見返し:略語・記号一覧
  • 裏見返し:旧国名地図
  • 巻末付録:品詞解説、敬語解説、動詞活用表、形容詞・形容動詞活用表、主要動詞活用表、現代仮名遣い、送り仮名の付け方、外来語の表記、干支 西暦・元号対照表、常用漢字一覧および付表、人名用漢字一覧、表外漢字字体表について
  • 別冊付録:明鏡 問題なことば索引

ビック4の中で唯一、本文中にコラムがあります。

巻末付録で特徴的なのは「敬語解説」で、「尊敬語」「謙譲語」「丁重語」「丁寧語」「美化語」の五分類を図解で解説しています。

また別冊付録の「明鏡 問題なことば索引」があり、内容は「誤用」「敬語」「気になることば」の辞書本体にある解説の索引になっています。

明鏡 問題なことば索引

 

本体の大きさは、ビック4の中で一番厚くて重いです。

 

序文から特長を整理

 

2002年の初版発行に際し、編者の北原保雄先生は序文にこう書いています。

「大した特徴もない辞書をもう一冊増やしても世の中を混乱させるだけ」
「これまでには存在しない最良・最高の辞典を創る」

熱い言葉です!

この内容を実現するための具体的な内容を、序文の中であげています。
次の通りです。

 

どこまでが許容され、どこからが誤用とされる表記かなどの問題をかなり突っ込んで記述(初版)

これは、「誤用」を「誤用」とはっきり書いている岩国の特長を、より深めたものです。

第二版では、辞書本文で解説している内容の索引として「明鏡 問題なことば索引」という別冊まで作っています。

 

読んで楽しい、表現と理解に役立つ(初版)

この特長は、独特で実感のある語釈の新明国を意識してと考えます。

また、「お」と「ご」の使い方に関するコラムで1ページも使っていることにも、読む楽しさがあります。

 

生きのいい新語、現代を映す言葉の発掘(第二版)

この特長は、「新語に強い」ことを自らキャッチコピーにする三国を意識しての内容でしょう。

第二版の特設サイトの解説では「いらっと」「がち」などがあがっています。

さらに第三版では、「エモい」「バズる」が入るとのことです*3

 

国際化が急速に進展し、国際会話能力の重要性が強調されているが、こういう時代に第一に大切なことは、自国の文化について理解を深め、自国語で正確に表現する能力を身につけることである(初版)

このために本文中に、「季節のことば」「春(夏・秋・冬もあり)のイメージと表現」「挨拶のことば」「おわびのことば」などのコラムがあります。

このようなコラムは、主に中学生や高校生向けの国語辞典にはありますが、ビック4の他の3つにはありません。

 

特長のまとめ

これらの特長をまとめると明鏡は、「歴史と伝統ある岩国、新明国、三国の長所を取り入れ、2000年代に求められる内容を加えた新時代の国語辞典」となります。

岩国の誤用をはっきり書く規範主義をさらにすすめた、三国の新語への強さを持つ、新明国の読む楽しさがある国語辞典です。

 

岩国・新明国・三国の初版はそれぞれ、1963年・1972年・1960年で、長い歴史と伝統があります。

受け継がれてきた編集方針に対する固定のファンもいて、ゆえに、今後編集方針を変更して紙面を大きく変えることはできないでしょう。

この点で明鏡は、先行する3つ競合辞書の特長を踏まえた上で、誰もがインターネットを通じて情報発信者になれる国際化の時代に、求められている内容(誤用かどうか・生きのいい新語・日本文化のコラムなど)をうまく取り入れています。

後発のメリットが、十分に生かされています。

 

 

だからNo.1かというとそうではなく、規範主義や新語の積極的な収録に否定的な考えもあるのが、国語辞典選びのおもしろいところです。

また大きさも、ビック4の中で一番厚く重くなっています。
岩国や三国くらいのサイズに、ものとしての使いやすさを感じます。

 

削っているもの

 

またこういった特長を実現する紙面を割くために削っているのは、「夏目漱石」「織田信長」「こころ(作品名)」「桶狭間の戦い」など百科語の固有名詞です。

この点は、ビック4の他も同じです。

 

歴史まで含めた百科語が国語辞典にほしい場合は、『集英社国語辞典 第3版』『旺文社国語辞典 第十一版』『角川必携国語辞典』あたりを選ぶ必要があります。

三省堂現代新国語辞典 第六版』は文学関係のみで、歴史の百科語はありません。

私自身は国語辞典で百科語に出会うのが好きなので、『角川必携国語辞典』を愛用しています。

 

第三版で期待すること

 

まだ大修館書店さんのホームページには詳しい情報がありません。

先行してAmazonに、情報の一部が出ています。 

明鏡国語辞典 第三版

明鏡国語辞典 第三版

  • 発売日: 2020/11/21
  • メディア: 単行本
 

 

Amazonの説明にある特長の見出しは、以下の通りです。

  • 詳しい解説と、探しやすく読みやすい紙面を両立! 二色刷り
  • 新語からビジネス、学習に役立つ語まで 最新の言葉を約3000語増補
  • 普段使いの言葉から「恥ずかしくない大人の言葉遣い」を知る 「品格」欄
  • 元祖 誤用までわかる国語辞典 言葉の正しい使い方を解説
  • 共通テスト対応 日本文化・文学によく出てくる 「ことば比べ」「ことば探究」コラム
  • 意味から使い方まで 新語・新用法にマーク
  • 漢字の使い分けがわかる 「書き分け」欄
  • 読み間違いをしないための 「読み分け」欄
  • 話すとき書くときに使える 巻末付録「伝えるためのことば」
  • 知りたい情報にたどり着ける 便利な索引(本体に組込)


いずれも、いままでの編集方針のパワーアップです!

私の注目は、一色刷りから二色刷りになること、「品格」欄、本体につくという索引の3つです。

特に「品格」は、『コンパスローズ英和辞典』や『ライトハウス英和辞典』にある「ポライトネス(礼儀正しさ)」のような感じでしょうか。
内容が楽しみです。

色数はこれで、一色刷りはビック4では岩国のみとなりました。
見やすさに期待大です。

 

以上、明鏡国語辞典の特長と最新の第三版で期待することのまとめでした。

繰り返しになりますが、北原先生が「これまでには存在しない最良・最高の辞典」という国語辞典の最新版を手にすることを、楽しみにしています。

 

 >>>明鏡国語辞典 第三版のチェックはこちら!!

 

  >>>新明解国語辞典 第八版のチェックはこちら!!

 

>>>参考文献はこちらです。

 

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