WHOは、「みずからが感染していると気付いていない人が他の人にうつさないためにはマスクの使用が役に立つこともあるという見解を初めて明記」しました。
また、布製マスクは「勧められない」から「まだ評価ができていない」に表現を修正しています。
BBC、CNNの報道によると、米疾病対策センター(CDC)が新型コロナウイルスの感染対策として国民にマスクの使用を推奨しました。
これまでの指示の変更です。医療用のマスクは在庫が不足しているため、布製マスクの推奨です。
アメリカで行われた新しい研究によると、「せきは6メートル、くしゃみは最長8メートル先まで飛沫を飛ばす」ということで、WHOがこの研究を精査しているそうです。
WHOの現在の指針は「感染予防にマスクは不要」ですが、変わる可能性があります。BBCの報道より。
新型コロナウイルスについての情報を集めました。
WHOの指針は「感染予防にマスクは不要」ですが、反対意見もあります。
・東京新聞報道
世界保健機関(WHO)は二月二十九日までに、新型コロナウイルスの感染予防に向けたマスクなどの適切な使い方の指針を公表した。せきやくしゃみといった症状がない人は予防目的で学校や駅、商業施設など公共の場でマスクを着用する必要はないとして、供給不足に拍車を掛けないためにも過度の使用を控えるよう呼び掛けた。
・消費者庁ホームページ
新型コロナウイルス感染症の拡大に対応する際に消費者として御注意いただきたいこと
現在、予防用にマスクを買われている方が多いですが、感染症の拡大の効果的な予防には、風邪や感染症の疑いのある人たちに使ってもらうことが何より重要です。
・高須克弥院長の反論
WHOの発表には反論もあります。
高須院長の反論も、あくまで「飛沫感染からの予防」です。
2019年12月末、イオンが従業員の「マスク着用原則禁止」を通達したことが、ネットやワイドショーのニュースになっています。
そこで、マスク着用がインフルエンザや感染症の予防に効果があるかの情報を、医療系の大学、製薬会社、病院、医師、大手マスコミなどから集めました。
2019年12月末段階の結論は、マスクに感染症予防効果があるという情報はありません。
東京医療保健大学の医療感染ジャーナル 2017年の研究結果
>サージカルマスクのインフルエンザ予防効果
http://www.thcu.ac.jp/uploads/imgs/20171024085000.pdf
インフルエンザ予防効果に関するエビデンスを明確に示す報告は見当たらない。最近報告されたmeta-analysisにおいても、手洗いは、予防対策として有意な 効果を示したが、フェースマスクの予防効果は有意ではなかったとされている。しかし、一方でその効果を期待して医療施設や学校、外出時にマスクが使用されてい る。今回調査の結果、インフルエンザ対策においてサージカルマスクの着用を規定している施設が70%を超え、 事前に対策が検討されていることがわかった。規定があることで、対策開始時期や実施内容が明確になり、統一した対策が可能になると思われるが、実際には51施設中41 施設(80.4%)にアウトブレイクが発生しており、規定のない20施設中14施設(70.0%)に対しアウトブレイク発生に有意差は認められなかった。
吉田製薬 2018年4月発行の情報通信
現在までの日常的なマスク着用による感染予防効果の報告を総合すると、手指衛生等の対策を組み合わせた複合的対策による有効性は報告されていますが、マスク単独での明確なエビデンスはないのが現状です。
自治医科大学付属埼玉医療センター
自治医科大学附属さいたま医療センター マスクの効果と正しい使用法
風邪やインフルエンザに罹らないためにマスクをつけてもその効果は限定的とされています。なぜなら、顔とマスクとの間に隙間がありウイルスを含んだ飛沫の吸入を100%防ぐことはできません。また、ウイルス自体の粒子径は0.1~0.2μmですが、咳やくしゃみではウイルスに水分やほこりが付着し粒子径は5μm以上とやや大きくなるためすぐに短い距離に落下し、空間をただようことはないからです。
朝日新聞デジタル
外出時にマスクをしても、至近距離からせきやくしゃみを浴びることがなければ、予防策としてあまり意味はありません。
産経ニュース
インフル予防にマスクは「推奨していない」厚生労働省
DIME
マスクではインフルエンザは予防できない
ニューズウィーク
マスクに実は効果なし
これらの情報からは、
ということです。
以前はマスクの着用が推奨されていたことは、以下の国立感染症研究所の情報でわかります。
国立感染症研究所 2005年の情報
予防としては基本的事項として、流行期に人込みを避けること、それが避けられない場合などにはマスクを着用すること、外出後のうがいや手洗いを励行することなどが挙げられる。
近年いろいろ調査結果が出て、至近距離からせきやくしゃみを浴びることがなければ予防策として意味はなし、となったのでしょう。
よって、厚生労働省のインフルエンザQ&Aでも、マスクについては次の程度の表現になっています。
厚生労働省 インフルエンザQ&A
ある程度、飛沫感染等を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは一つの防御策と考えられます。
あるクリニックの院長先生はブログにこう書いています。
五本木クリニック 院長ブログ
イオンのマスク着用禁止通達は医学的には何も問題ない正しいものである!!
感染症予防の注意点のわかりやすい情報は、慶應義塾大学のHPにありました。
慶應義塾大学
インフルエンザ予防のための手洗い、マスク、うがい – 健康・保健情報・講義・講習会 | 慶應義塾大学保健管理センター
予防としては「手洗い」と「うがい」が効果的で「マスク」の効果は限定的、罹患したら他人に移さないように必ず「マスク」をする、ということです。
まとめ
調査の情報を調べる限りでは、マスク着用での予防効果はエビデンスがありません。
よって、せきやくしゃみが出るのでなければマスクをせずにいるほうが自然だと、私は考えます。
これまでインフルエンザ流行時は外出時に必ずマスクをしていましたが、マスクを売りたい業界がつくる雰囲気に乗せられていたのかな、と感じています。
2020年の新型コロナウィルスのパンデミック時、世界は「マスクをしていて当たり前」になりました。
そして2021年10月現在、日本ではまだマスクの着用推奨が続いています。