夜回り先生こと水谷修先生の著書『壊されゆく子どもたち 夜回り先生の青少年問題論』を読んでいて、気になる情報がありました。
先生が相談を受け始めてから239人の命を広い意味での自死で失っていても、自死と見なされたのは21件だけなのだそうです。
理由は、明らかに自死とわかるケース以外は、死亡診断書に自死と書かないからです。
たとえばリストカットによる死の場合は「失血による事故死」、OD(オーバードーズ=薬の適用を超過した摂取)による場合は「薬物による中毒死」というように、残された遺族のことが考慮されるということです。
よって水谷先生は、「このようなグレーゾーンも自死とみなしたら、日本の自死数、特に10代と20代の子どもたちの自死数は、相当増えるはずだ」と言います。
そして、「日本における自死の統計は 本当の正確な数値を表していない」とも書いています。
統計では全国の自殺者数がここ10年ずっと前年を下回ったとニュースでは聞いていましたが、単純な問題ではないことが、あらためてわかりました。
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水谷先生は自死願望の相談を相談する子どもたちに対し、最後は必ずこう語るそうです。
過去は過去。人は人。でも、君は君。人のために何かしてごらん。周りに優しさを配ってごらん。きっと返ってくるありがとうの言葉が、笑顔が、君の明日を作る。君の生きる力になるよ。
自死願望にとらわれただけでなく、ふと心が沈んだときに、前を向ける言葉ですね。
以上、水谷修先生の著書から、日本の自死の統計は正確な数値を表していない、という情報でした。
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