ひろさちや著『「善人」のやめ方』(角川oneテーマ21)に、「人生の危機」と「生活の危機」の違いという話が出てきます。
リストラや倒産などでの「失業」は単なる「生活の危機」であって、「『人生の危機』とは、自分が何のために生きているのかが分からなくなったとき」(p16)といいます。
こう語ります。
世の中に出ている人生論や生き方の本は、生活の危機に対するアドヴァイス(忠告)であって、人生の危機については何も言っていません。生活の危機に対するアドヴァイスの本を読んでも、あまり生活の危機には役立たないし、生活の危機に対するはハウツー本を読めば読むほど、ますます人生の危機を深める結果になります。(p18)
なるほど。
「失業」の場合でも、倒産やリストラによるものであれば「生活の危機」として解決策を考えればいいのでしょう。
そうではなく、これまでの働き方や考え方に思い悩み、心の病になるほどで「失業」するのであれば、「人生の危機」です。
ひろさちやさんの言うように、単に仕事の効率や生産性を上げるアドヴァイスの本をどれだけ読んでも、「人生の危機」は解決しないでしょう。
この点に気づかずに「生活の危機」のハウツー本ばかり読んでいたらどうなることかと思うと、そら恐ろしいです。
「人生の危機」と「生活の危機」の違いという考え方は、中年の私がこれからの人生で直面する物事に対するときや、読む本を選ぶ際に、いろいろと助けになりそうです。
そして、「人生の危機」に直面しないためには、世間にたぶらかされず、あなたが好きなように生きればいいことに早く気づくべき、とひろさちやさんは書いています。
なかなか深い言葉です。
以上、「人生の危機」と「生活の危機」の違いについての話題でした。
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