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葉室頼昭さんに学ぶ漢字以前の日本語 ~「かみ」は「ゴッド」ではない

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〈神道〉のこころ 葉室頼昭

春日大社宮司の葉室頼昭さんの著書〈神道〉のこころに、漢字が日本に入ってくる前の時代の原日本語の説明があります。

葉室さんは原日本語を知る意味を、「かみ」と「ゴッド」を例にこう言います。

日本に漢字が入ってきて「古事記」がつくられたとき、稗田阿礼が言った「かみ」に太安万侶が「」をあてはめた。

後の人がこれを「ゴッド」というキリスト教の唯一神と同じように理解しようとすると、「かみ」という本来の日本語とぜんぜん違ってしまう。

日本語の「かみ」はゴッドではなく、最も尊い人に対する「さま」という意味で、この前に天照とか、春日という名前が必要。

なるほど、興味深いですね。

他にも、葉室さんの著書にはこんな現日本語の紹介があります。

「のる」… 宣る。神さまが言われる。
「つ」… 丸い。
「き」… 奇。不思議。

〈神道〉のこころより

「か」… おかあさんの「か」。宇宙の神の素晴らしい命が含まれている。
「み」… 満ちる。
「か・み」… 偉大なる神の知恵が満ち溢れた素晴らしさという敬語
「あ」… わたし
「な」… あなた
「と」… 伝わってくる。
「おー」… 承知しました。わかりました。
「は」… よみがえらせる。葉っぱの葉。
「い」… 命。
「ね」… 根っこ
「はい」… 命をよみがえらせる。
「ら」… いっぱい。
「はら」… 命がいっぱいよみがえる。

神道 見えないものの力より

普段使っている言葉に、本来はこんな意味があったんですね。

葉室さんはこう言います。

言葉とは、神の心を表現するもの。

文字とは、神の心を形に表したもの。

葉室さんが教えてくれた現日本語の意味を少しでも意識して、普段口に出す言葉を大切にしたいものです。

以上、葉室頼昭さんの本から漢字以前の原日本語の紹介でした。

こちらは新装版です。

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