【しあわせについて学ぶことば】シリーズ、その21です。
われわれは、真理を望む。しかし、われわれのうちには不確実さしか見いださない。
われわれは幸福を求める。しかし、惨めさと死としか見いださない。
われわれは真理と幸福を望まないわけにはいかない。しかし、確実さにも幸福にも達することができない。
この欲求がわれわれに残されているのは、われわれを罰するためであると同時に、われわれがどこから堕ちたかを感じさせるためである。
パスカルの『パンセ』(中公文庫 2018年7月改版)第七章437です。
このことばと一緒に考えたい内容が、藤田一照さんの『ブッダが教える愉快な生き方』に出てきます。
この本には、人間であればブッダでも誰でも自分の中に「悪魔」がいるが、「目覚めた人」でなければそのことに気づけない、とあります。
そして「悪魔」とは、人間を道から踏み外させる衝動、いわゆる煩悩のことである、とのこと。
パスカルの「われわれがどこから堕ちたかを感じさせる」と、ブッダの「悪魔(=煩悩)に気づく」は、同じことを言っているように感じます。
また『ブッダが教える愉快な生き方』には、ブッダは生老病死は思い通りにならない人生の絶対事実(=ドゥッカ)と言っている、ともあります。
パスカルの「幸福を求めても死しか見いださない」と、ブッダの「生老病死は思い通りにならない人生の絶対事実」も、同じ内容だと思います。
時には静かに、パスカルやブッダのことばを読んでみるのも楽しいものです。
以上、しあわせについてのパスカルのことばの紹介でした。
自分の幸せのためだけを考えていないか(ダンマパダの教えから)
【しあわせについて学ぶことば】シリーズ、その22です。 マスクの転売や買い占めが話題のいま、『NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 真理のことば』のこんなことばが心…
『本当の自分』があるとすれば、いま、現実に鏡に写っている自分しかない
菅野泰蔵さんの本から学んだことの、三つ目です。 今回も『こころがホッとする考え方 ちょっとしたことでずっとラクに生きられる (PHP文庫)』の内容を紹介します。 誰で…
「ぼくは“幸福反対論者”だ」(岡本太郎)
岡本太郎さんの『自分の中に毒を持て』を読んでいて、強烈なことばに出会いました。 「ぼくは“幸福反対論者”だ」です。 ぼくは“幸福反対論者”だ。幸福というのは、自分…