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『本当の自分』があるとすれば、いま、現実に鏡に写っている自分しかない

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こころがホッとする考え方 すがのたいぞう

菅野泰蔵さんの本から学んだことの、三つ目です。

今回も『こころがホッとする考え方 ちょっとしたことでずっとラクに生きられる (PHP文庫)』の内容を紹介します。

誰でも、多かれ少なかれ「いまの自分」に不満を抱いているものである。こんなことを言いたくなる気分はわからないではない。仕事が認められない、学校がおもしろくない、友だちがいない、恋人がいない、親が自分を理解しない……。いろいろとパッとしないことがたくさんある。自分が描いていた理想からすれば、そのような現実は「こんなはずじゃない」と思うことだらけである。特に思春期には、ほとんどの人がこのような思いを抱く。(p114)

大人になってもずっとこう考え続けていると、次第に心身の健康を崩していきそうです。 

思春期をとっくに過ぎても、この「本当の自分」にこだわっている人を、私は「本当病」と名づけている。「本当病」にかかっている人は、現実を、現実のみじめな自分を受け入れられない。そして、「本当の自分」と思っている自分像こそが「本当」ではなく、実はフィクションであることに気づかない。「本当の自分」があるとすれば、いま、現実に鏡に写っている自分しかないのである。
「本当病」の原理は驚くほど簡単で、要するに「現実の自分」とは「気に入らない自分」であり、「本当の自分」とは「気に入っている自分」なのである。その「気に入らない自分」を放棄しようとしても、取り囲む現実は何も変わらない。それどころか、その現実を変える努力を怠るのでますます悪化してしまう。(p115) 

「本当の自分」があるとすれば、いま、現実に鏡に写っている自分しかないのです。

この「本当病」ということばを読んで、前に読んで衝撃を受けた、南直哉さんの『老師と少年』を思い出しました。

「本当の自分が知りたい」と問う少年に、老師が答える一節を紹介します。

「友よ。『本当の』と名のつくものは、どれも決して見つからない。それは『今ここにあること』のいらだちに過ぎない。苦しみにすぎない。『本当の何か』は、見つかったとたんに『嘘』になる。またいらだちが、還ってくる。もし、『本当の何か』が見つかったとすれば、それはどれもすべて、あるとき、ある場所に、人の都合でとりあえず決めた約束事にすぎない」(p34) 

「友よ。『本当』を問うな。今ここにあるものが、どのようにあるのか、どのようにあるべきなのかを問え」(p35) 

つい、「こんなはずじゃなかった~」とか、「力を出せなかった~」とか、「会社に認められてないな~」と、思うことがあります。

でも、「こんなはずじゃない」「力を出せなかった」「会社に認められていない」という「いま」が、現実です。

その「いま」から、歩んでいくだけですね。

「本当病」と、「本当の何か」は見つかったとたんに「嘘」になる、ということに気をつけたいものです。

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