中田敦彦さんの「良い夫やめました」宣言のその後の記事が、日経DUALに出ました。
世間の僕への認識が「ひどい夫」になりましたよね。妻は周囲から、「なんて夫だ!」「あなたの夫、あんな発言してますけど大丈夫?」などと心配されます。
そうなると不思議なもので、相反するように妻のほうは、「そこまではひどくないよ?」というマインドに変わるんです。実際の家庭のほうも、アットホームなんですよ。僕は、肩の荷が下りました。
「No」が言えるようになったら、「Yes」や「Want」も出てきました。
無理はしない。やりたいなと思えることしかしない。今は、そんな感じですね。
なるほど。「義務感」から開放されて、楽になったようですね。
先日私は、パパの子育てで最も大切なことは 、「育児、家事の分担」よりも「話を聞く」「労をねぎらう」という奥様への「共感」ではないか、と書きました。

今回は『定本育児の百科 (岩波文庫)』(松田道雄) を手引きに、パパの子育てをもう少し深く考えてみます。
松田先生は、まず、「子殺し」という、やさしくない言葉を使ってこういいます。
家庭のお父さんである君に一言いっておきたい。
君は年々200人の母親が子殺しをすることを知っているか。彼女たちは簡単に「育児ノイローゼ」といわれるが、実は核家族時代の犠牲なのだ。育児という重労働を、ひとりでいままでの家事のほかにやらなければならないのだから。
以前の大家族の時代には、古い世代がそばにいてくれた。いまは若い母親がひとりでせおわねばならぬ。父親が手伝わなかったら母親はせおいきれない。子殺しをした母親のおおくが、育児に協力しない夫をもっていた(岩波文庫 上巻 p108)。
はい、肝に命じます。
ちょうどいま、日経新聞の夕刊で「つみびと」という山田詠美さんの小説が連載されています。
モチーフは、 育児放棄した母親が幼い子どもたちを施錠したマンションの一室に留守番させたまま帰らず、幼子二人が亡くなった事件です。
松田先生が『定本 育児の百科』で父親に言うことをまとめます。
- 育児は風習である
- 夫が台所の仕事をしたり、赤ちゃんのおむつをとりかえたりする風習は、日本にはなかった
- 産後の妻がひとりで家事と育児を引き受ける風習も、日本にはなかった
- 以前は家におばあちゃんや手伝う人がいて、女たちだけでできる体制になっていた
- 高度成長以後、多くの家族が核家族になった
- 父親になった人は、この新しい事態に夫として対応しなければならない
- 時代が父親に家事と育児への参加を要求している
- 男はそういうことはしないものだというのは、古い時代の風習にもとづいてできた古い思想に過ぎない
なるほど、納得です。
いま、うちの奥様は専業主婦です。
正直にいうと、ふと、「専業主婦なんだから、家事育児は全部やってね。 オレは外で働いてくるから。」と、思うことがあります。
でも、そもそも家事育児を奥様一人してきた風習は、なかったのですね。
ここはしっかり認識しておかないといけないと思います。
また、奥様方にはこういいます。
日本のおおくの男は、台所の仕事とか洗濯とかで、実力が女よりもはるかにおとるから、妻のほうで夫の援助をかえってマイナスに感じるようになる。(中略)だが、妻は夫の援助がつたなくても、よろこんでうけいれないといけない。自分は育児失格だと思ってしまうと、夫はその後の育児に協力しなくなる。
その通り!
多少失敗しても、大目にみてくださいね。
うちの奥様にも、意見を聞いたところ、「りゅうちぇるのツイートや、宮迫さんの弁当の話のほうが、いいなー」とのこと。
これと、
これですね。
自然な感じで、いいですね。
あらためて、「男は外で働き、女は家で育児をする、男女分業だ」という考えは、きっぱり捨てたいと思います。
その上で、
と思うようになっています。
以上、中田敦彦さんの「良い夫やめました」宣言のその後の紹介でした。
※参考:中田さんの記事で出てくる小島慶子さんのエッセイはこれ。



