中田敦彦さんが「良い夫」やめましたと宣言し、話題になりました。
こんなことばが並びます。
僕は、良い夫であることも、良い夫であろうとすることも、やめました。
受け入れられ続けてきたことで、妻はまひしてしまった。人間は、NOを言わない相手にどんどん要求を上げていくもの。要求が通ったら次はこれ、次はこれと際限がなくなります。
「良い夫」に価値基準なんてない。自分の夫に対して、今よりも良い夫になってほしいという理想をまず捨てませんか。夫のほうも、自身の資質を無視したような「良い夫」になろうとしなくていい。
この発言を真っ向から批判する記事を、アエラドットで読みました。
以下のような内容です。
自分が夫からそんなこと言われたら、「じゃあ私も良い妻をやめる」と言いたくなりませんか?
中田氏は、「良い夫をやめる」発言以前には、「仕事より育児のほうが大変」と言ったり、インスタグラムで何度も「今日の妻も可愛い」というハッシュタグをつけたりしていました。今回の言葉は、そうした行為を「全て演技でした」と否定したようなものです。
母親は、趣味に費やせる時間がこれっぽっちもない。
彼は、「妻と別れてもいいし、子どもの親権は渡してもいい」と書いています。私は特にこの言葉に嫌悪感を覚えました。親権を渡してもいいというのは、妻を優先しているように聞こえますが、実際は「育児は全て妻に任せる」ということです。「今後もし自分のやり方に不満があるなら、今後は一人で生きて育児もやってくれ」と言っているわけです。
奥さんの福田萌さんのツイッターを読むと、夫婦の間では解決しているようですが、賛否両論ありますね。
そこで、昨日の記事に書いた210刷のロングセラー、明橋大二先生の『子育てハッピーアドバイス』を読んで考えます。
結論からいうと、福田さんのツイートの最後の一言の、
と思い至りました。
この本では、まずは、「子どもを守ろうとするなら、まず、それを支えているお母さんを守らなければなりません」、とあります。
そして、「子育ての一番のパートナーはお父さん」であるとして、お父さんができる子育てを、次にあげています。
- 初級コース「話を聞く」「労をねぎらう」「情報集め」
- 中級コース「夜泣きをあやす」「風呂に入れる」「体を使った遊び」
- 上級コース「料理を作る」「育児、家事の分担」
ここで初級とされる「話を聞く」「労をねぎらう」が、一番難しい!というのが子育て10年の実感ですと、この記事で書きました。
さらに考えるため、このシリーズのパパ向けの本『忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス』を見ましょう。
こちらでは、「話を聞く」「労をねぎらう」について、より具体的に書かれています。私のダメなところをズバリと言っているかのようです。いつくかあげます。
母親の心をいかに支えるか、これが、実は、父親の子育てで最も大切なポイントといっても過言ではありません。
そこで、まず大切なのは、妻へのねぎらいの言葉です。
私、言えてません!
妻を支え、元気にする言葉
「うちの妻は、いつもよくやってくれる」
私、言ったことありません!
妻の話を聞くときには、用件がどうであるかというより、まず、気持ちをじゅうぶん聞いて、わかってあげる必要があるのです。
私、う・・・。
妻が、育児の悩みを話してくると、夫としては、ついつい解決策を求めているのだと考えて、
「それなら、こうしたらいいんじゃないか」
「そんなの、こうするしかないんじゃないか」
と言ってしまいます。しかし、多くの妻が求めているのは、解決策ではなく、まずは
「そうだね」
「そうなんだ、たいへんだったね」
という受容、共感の言葉なのです。
明橋先生、もう許してください。
あとがきを読むと、この本は、明橋先生の失敗を書いたもので、めずらしく奥さんからおほめの言葉をもらったそうです。
先生でさえ失敗したきたのですね!少し気が楽になります。
さて、中田さんがこれまで、家事の分担に真剣に取り組んできたことは、この記事からもわかります。
この中にこうあります。
まずは、妻のニーズをもう一度深く聞いてみました。すると、僕に完全休みの1日を取るよりも、毎日の忙しい時間帯に手伝ってほしいということが分かりました。そのうえで、最も夫に家にいてほしい時間帯「育児家事のピークタイム」を聞き出したんです。
夕方~夕食、風呂、寝かしつけまでが1日の中で最も忙しいので、今は、その時間帯を避けるように仕事を入れています。
これって、もしかしたら、明橋先生のいう、「多くの妻が求めているのは、解決策ではなく、受容、共感の言葉」だったのかもしれないなぁ、と感じます。
また、『「良い夫」やめました』の記事には、こうあります。
妻自身が育児家事で味わう負荷を同じように背負ってほしいという理由で、僕を制限したり、家に入れたりしようとしていると思えたから。
これも、「負荷を同じように背負ってほしい」のではなく、ただただ「労をねぎらってほしい」のかも。
ここで、福田さんのツイートにある、「私が完全に夫に甘えていました。」という最後の一言が、ズキっときます。
妻の「甘え」を「反省してもらう」よりも、「満たしてあげる」ことができたら、より「良い夫」かなぁ。私も修行中です!
中田さんが最後に書いている『「良い夫」の価値基準』は、妻にとって、「仕事が好き」「稼ぐことが得意」「家事育児を負担する」という行為の基準ではなくて、「共感する」という心の基準なのかもしれません。
たとえ夫が趣味に休日一日を使っても、その一日でリフレッシュして、妻に「いつもありがとう」「がんばってるね」と心からねぎらいの言葉を言えたら、家事育児を手伝うよりも価値のある一日になるのでは。
まずは、
自戒を込めて思っています。
以上、中田敦彦さんの「良い夫」やめました宣言に考えることの紹介でした。