「人間の幸福は数値化できない」は、新井素子先生の『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』にある一文です。
このように断言しています。
数学者として断言できます。現代数学は、幸福の数値化ができるようにできていません。(p37)
「AIに任せたほうがましな政治をするのではないか」という社会学者の発言には、こう警鐘を鳴らします。
「いい感じの政治」を数値化することには無理があります。(中略)その科学の事実を無視して、AIに判断を任せたなら、人間には想像もつかないような歴史上例がない恐ろしい政治になることでしょう。(p37)
そしてこのブログのテーマの一つの「子育て」については、「汎用AIが登場したとしても、最後まで人間がすべき高度知的労働として残ります(p259)」と書いています。
新井先生は言います。
AIは神にも征服者にもなりません。シンギュラリティも来ません。(中略)
AIが人間の仕事をすべて奪ってしまうような未来は来ませんが、人間の仕事の多くがAIに代替される社会はすぐそこに迫っています。
AIにできない仕事をする能力を、私や息子が備えられるかどうか。
AIが最も苦手とする分野は、「読解力」だということです。
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