新井紀子先生は『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)で、AIには苦手で代替されない人間の能力に、「読解力」をあげています。
しかし、どうしたら読解力が上がるかについては、解明する科学的な研究が今のところないそうで、こう述べているだけです。
もしかしたら、多読ではなくて、精読、深読に、なんらかのヒントがあるのかも。そんな予感めいたものを感じています。(p246)
ふと今朝の日経新聞の朝刊をみると、現時点でのその答えらしいコメントがありました。
次の通りです。
知識量を求める前に、新聞のひとつの記事を一字一句読む。どういう意味かを考えながら、じっくり文字を追う。
なるほど。
「読解力」をつける方法の答えは、小学校低学年の国語の勉強と同じです!
魔法のような方法はない、ということですね。
このコメントを、そんなことかとスルーするか実践するかで、違いが出てくるように感じます。
時には一つの記事やエッセイを、わからないことばを辞書で引きながら、じっくり読むことも必要なのでしょう。
「読解力」があってはじめて、多読に意味があるように思います。
上のコメントは、こう続きます。
自分の頭で考えることが大事です。効率が悪いと思っても、腑(ふ)に落ちるまで読み込む。
これまたなるほど。
読書で言えば、一冊の本を、腑に落ちるまで何度も読み込むということでしょう。
一つの例としては、新井先生は『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』で、デカルトの『方法序説』を20回以上読んで、まだわからないところがあると書いています(p246)。
「一字一句を大切にする」と言えば、先日新聞を読んでいたら、息子がのぞき見して、「還元って何?」と聞いてきました。
ローソンで消費期限が迫った弁当やおにぎりをポイント還元で実質値下げする、という記事を見たようです。
「読解力」をつけるための実践として、ことばに対する好奇心を忘れずに、息子とのこんな会話も楽しんでいきたいですね!
以上、新井紀子先生が考える「読解力」をつける方法の紹介でした。