メニュー
カテゴリー
愛好家や作家が評価する国語辞典の9選 ▶

「おき」と「ごと」の違いがわかる最強の辞書は例解新国語辞典!

本記事のリンクには広告が含まれています。

2025.2.21 『例解国語辞典 第十一版』の情報に更新しました。

2020年1月11日放送のテレビ番組「人志松本のすべらない話」で、古舘伊知郎さんが「おき(置き)」と「ごと(毎)」の違いについて話しました。

オチは、「金田一秀穂先生に聞いたら、個人差があって答えがないのが答えだった」です。

そう言われると、調べたくなるのが人情というもの。

さっそく手持ちの国語辞典を引いてみると、『三省堂現代新国語辞典』にのみ、比較の記載がありました。

次の通りです。

[置き] ある間隔で、続いて起こったり、存在したりすること。「バスは十五分 ─ にくる・一メートル ─ に木が植わっている」

[ごと①] 繰り返し起こる、そのときどき。「六時間 ─ に薬を飲む・会う人 ─ に、寄付をたのむ」

なるほど。

三省堂現代新国語辞典』は新語の採用で特に話題となりましたが、やはりこの辞書では類義語の情報もあなどれません。

しかしこれだけでは、解釈に個人差があることはわかりません。

こんなところかなぁと、念のために中学生向け国語辞典の『例解新国語辞典を手にとったところ…、なんと、ほぼ1ページものスペースを使って解説があります!

これは驚いた!!

以下は内容の抜粋です。

「一か月おきに病院に行く」は、「毎月」病院に行く〔一月、二月、三月、・・・〕と、「隔月」で病院に行く〔一月、三月、五月、・・・〕の、二つの意味がある。

「一か月という長さの期間がおかれる」のが、「病院に行く日」の間か、「病院に行く日を含む月」の間か、何の間かによって、二通りの意味が生じる。

同じように「一週間おきに買い物をする」でも、「毎週買い物をする」と「隔週で買い物をする」という二通りの意味にとることができる。

「一か月ごとに病院に行く」と言えば、毎月行く意味にしかならない。

「…ごとに」は、「…」が一つのまとまりを作ることを表す。

「…おきに」は、並んだものの間の間隔が「…」だ、ということを表わす。

なるほど。

このほかの事例として「三つおきに赤い椅子を置く」は、「白白白赤白白白赤白白白赤…」と「白白赤白白赤白白赤…」の両方のとらえ方ができるのではないだろうか、と説明があります。

やはり「おき」だと受け取り方に個人差が出るのですね。

詳しくは、『例解新国語辞典』のp469をぜひぜひご参照ください。

例解新国語辞典』は、文章術本のロングセラー『理科系の作文技術』の著者の木下是雄さんが、中型の『学研国語大辞典』とともに一番よく使うと書いている辞書です(『レポートの組み立て方』より)。

この理由の一つが、よくわかるような事例になりました。

以上、「おき(置き)」と「ごと(毎)」の解説が一番詳しい国語辞典は、なんと中学生用の『例解新国語辞典』だった、という情報でした。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次