『育育児典』 は「病気編」が特におすすめ 「どう父親する?」も必見です

『定本 育児の百科』は 子育ての悩みを一番解決してくれた本」に続く、二番目に子育てで助けられた育児本は、岩波書店の『育育児典』です。

「辞典」ではなく、「児典」で正しい書名です。

目次
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『定本 育児の百科』の後継

『育育児典』は、『定本育児の百科』を書いた松田道雄先生の没後9年を経て、同じ岩波書店から出ています。

こちらは「暮らし編」と「病気編」の2冊に分かれていて、「暮らし編」を毛利子来先生、「病気編」を山田真先生が執筆しています。

お二人とも経験豊富な小児科の町医者で、互いに相談しながら執筆したそうです。
町医者なのは松田道雄先生と同じですね。

詳しい内容の紹介は、岩波書店のホームページに譲ります。

おそらく岩波書店は、『定本 育児の百科』の後継として、現代にあう本として『育育児典』を作ったのでしょう。

同じように月齢で「暮らし編」が章立てされ、こちらは「妊娠からお産まで」「誕生から1週間くらいまで」「1週間から1ヵ月のころ」「1ヵ月から3ヵ月のころ」「3ヶ月から6ヶ月のころ」「6ヵ月から9ヵ月のころ」「9ヵ月から1歳半のころ」「「1歳半から3歳のころ」「3歳から5歳のころ」と分かれています。

また、「変わった産まれかたをした子」「障害のある子(障害児)」「使いたい制度とサービス」という章もあります。

こういった章は、『定本 育児の百科』にはありません。

「病気編」は症状別のやさしい解説

この本で特に助けられたことの一つは、「病気編」の内容です。

『定本 育児の百科』は文庫版で「子どもの病気」編が割愛されました。
松田道雄先生が亡くなられて改訂作業が不可能になったためです。

よって、息子の様子で何か気になったときは、まず『定本 育児の百科』で大まかな注意点をつかみ、次に『育育辞典』で詳しく確認する、という流れで対応してきました。

特に冒頭の「症状別ガイド こんなとき、どうする?」が助かります。

こどもによくある「発熱」「ひきつけ(けいれん)」「発疹」「頭痛」「腹痛」「嘔吐」「下痢」「せき」「食欲が落ちた」「赤ちゃんが泣きやまない」などの症状別の簡易な解説になっていて、ここで見当をつけた後に本文の詳しいページを参照することができるようになっています。

例えば息子は生後数日後に「黄疸」で一泊光線療法を受け、幼児期は「溶連菌」によくかかり、また一度「マイコプラズマ肺炎」になったことがあります。

すべて本文に詳しい解説があります。

参考までに、わが家の一番の悩みだった「赤ちゃんが泣き止まない」では、赤ちゃんの全身をくまなく調べる手順を示し、それでも原因がみつからない「よく泣く赤ちゃん」もいることを教えてくれます。

よく泣く赤ちゃんは一般に発育がよく、健康であることが多いともいわれるというので、楽になりました。

治療方針については山田先生の考えが色濃く出ているようです。

例えば、「病気のときの子どもの生活」では「安静は必ずしも必要ではない」(p23)。

またインフルエンザは「やや症状が強いかぜ」(p96)で、「インフルエンザは自然に治る病気なのですから、タミフルはいっさい使うべきでないと思います」(p98)と書いています。

わが家は基本的にはあまり医者に行ったり薬を飲ませたくなかったので、共感しながら読んでいました。

父親論「どう父親する?」

もう一つ特にグッときたところは、「暮らし編」にある「どう父親する?」というパートです。

以下に一部を紹介します。

父親に求められるのは、何よりもまず人間的な魅力だと思います。母親のような子どもとの一体性がない以上、個として惹きつけるものがないと存在感が薄くなりかねません。

虚勢を張るよりも、逆に自分の地をさらしたほうがよいと思います。男には男の苦闘があり、そこには男のつらさも弱さも張りついているはず。それを隠すのではなく、ぐちるのでもなく、身ににじませている父親は十分に魅力的でありえます。

1本スジが通っているとか、どこかに凄さがあるとか、度量が大きいとか。そんな何かさえ漂っていれば、少々しょうがない父親でも、子どもには尊敬されるにちがいありません。

無茶なことやつまらないことでも、夢中で入れ込んでいる姿には迫力があります。

「男には男の苦闘」「男のつらさも弱さも」って、そうですよね~。

どのような父親になる「べき」かと考えたこともありましたが、「虚勢を張るよりも、逆に自分の地をさらしたほうがよい」ということばを読んで、変に気負わなくてもいいんだなと楽になりました。

父親である前に、私は私です。

この後に続く次の内容には、賛否両論ありそうです。

子どもとは「友だち」か、せめて「先輩」というスタンスをとりたいもの。父親風を吹かせてばかりいる父親は、尊敬されるどころか敬遠されるのがオチです。

そんなわけで、父親は子どもとは思い切り遊ぶにかぎります。甘やかしたければ、甘やかしたほうがよい。母親になじられても、ひるむことはないと思います。父親の遊びと甘やかしは、母親が厳しい場合には、その代償になりえるのです。そして、遊びや甘やかしも、子どもの育ちにとって大切なことであるのですから。

毛利先生は別のパートで、子どもにはもともと「親性」があるという哲学者の鶴見俊輔さんのことばを紹介し、親が子どもと上から下の関係ばかりでやっていこうとするのは得策ではない、と書いています。

「友だち」や「先輩」というスタンスというのは、この考えによるのでしょう。

「父親が先輩」というのは、私はステキだと思います。

また、とかく奥様に「パパは甘すぎ!!!」と言われるのですが、毛利先生のいう通り口やかましい奥様とバランスがとれているんだと、自分を甘やかすことにします。

辞書辞典の老舗「岩波書店」の本

この『育育児典』は、さすが『広辞苑』や『岩波国語辞典』を持つ辞書辞典の老舗の岩波書店が出した本だなぁと思います。

『広辞苑』のように全ページモノクロ(白黒)で、文字と余白のバランスがスッキリしていて読みやすいです。

ところどころに内容を補足する親しみやすいイラストも入っていて、理解を助けてくれます。

以上、二番目に助けられた育児本の『育育辞典』の紹介でした。

『定本 育児の百科』といい『育育辞典』といい、私は経験豊富なベテランの町のお医者さんが好きなようです。 

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■ 参考図書

毛利子来先生の本はこちらにもお世話になりました。

よくある暮らしの場面別の章立てになっていて、私が付箋をつけていたのは「散らかし」「反抗」「じゃま」「ぎょうぎ」「わがまま」「鼻水、鼻づまり、鼻血」。

文庫で読みやすい一冊です。

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