ずっと不思議だったこと
奥様は何か私に怒るとき、今のことだけでなく過去のことも持ち出してきます。
なぜなのか、ずっと不思議でした。
正直な心境は、「もう何度も謝ったでしょ?何度謝ったら許してくれるの?理不尽じゃない?」です。
男と女はそもそも別の生き物で思考回路が違うことは、これまで『話を聞かない男、地図が読めない女』(アラン・ビーズ+バーバラ・ビーズ)や『ベスト・パートナーになるために』(ジョン・グレイ)という過去のベストセラーや、最近では『子育てハッピーアドバイス』シリーズ(明橋大二)を読んでわかってはいるつもりです。
でも、なぜ奥様が過去のことを何度も持ち出すかは、よくわかりませんでした。
『妻のトリセツ』からの学び
そこでふと、最近のベストセラーで気になっていた『妻のトリセツ』を書店で手に取ると、冒頭の「はじめに」にズバリこう書いてあって驚きました!
妻の怒りの理由は、「今、目の前で起きたこと」だけではない。過去の関連記憶の総決算として起こるものである。
女性は、感情に伴う記憶を長期に渡って保存し、しかも「みずみずしく取り出す」ことが得意な脳の持ち主だ。(中略)「感情によって連鎖される記憶」なので、当然、感情が増幅されて溢れ出る。
女性脳は、自らの身を守らないと子どもが無事に育てられないため、危険回避のためにネガティブトリガー(怖い、辛い、ひどいなどの嫌な思い)のほうが発動しやすい傾向にある。
それゆえ、夫にとっては「たったこれだけのこと」で、しかも10年も20年も前の出来事まで含めて、一気に何十発もの弾丸が飛んでるくることになる。
なんと、奥様が過去のことを持ち出すのは、自らの身や子どもを守るための母性本能ゆえだとは!
本能ならたまに溢れ出るのはどうしようもありません。
なんと厄介なことでしょう。
よってこの本での夫へのアドバイスは、こうです。
解決方法は、真摯に謝る。それしかない。
…。
しかし!この本には過去にやらかしたことがある男性への救いがあります。
女性脳は、家事や育児で日々をただ生きているだけでストレスがたまる脳なので、こうだというのです。
夫が完璧だと、そのストレスの放電先が子どもになったり、自分に跳ね返ってうつに転じたりして、危なくてしょうがない。いい夫とは、「おおむね優しくて頼りがいがあるが、時に下手をして、妻を逆上させる男」にほかならない。
なんとも難しい逆説です。
不安が過去を呼び起こす
実は、このブログ記事をまとめている最中にも、不意に奥様のネガティブトリガーを発動させたようでしくしく泣かれてしまいました。
また過去のことが出てきます。
どうすることもできず、黙って話を聴こうと努めるしかありませんでした。
その中で今回は一歩前進したように思うのは、ともかくいろいろ不安で、その不安は生活や子どもを守る母性本能ゆえで、だから過去に不安だったことを思い出してしまうんだな、と感じられたことです。
そういえばこれまでも過去のことを持ち出されるのは、酒に酔って連絡もせずに帰ってこなかったり、泣いてからんでくる奥様をつい突き飛ばしてしまったりした(※あらためて文字にしてみるとひどい仕打ちです)、過去の経験の再現への不安なんだと思い至ります。
現実は厳しく、難しく、一歩ずつ
ここまで、奥様を理解できたか自信のない言い方になっているのは、一番の危険は『妻のトリセツ』のような本を読んで奥様を100%わかったつもりになることだと考えているからです。
身近な家族でさえ、他人の心をすべては理解できないことが、これまでの人生で学んだ真理の一つだと思っていますので。
奥様という、血のつながりのない他人と家族として一緒に生きていくという現実は、時に厳しく難しく、すべてが思うようにはいかないでしょう。
その中で世の夫にとって、「女性は母性本能ゆえに過去のことで何度も怒る傾向にある」と知っていることは、奥様との生活の助けになることは確かだと思います。
奥様に怒られたり、すねられたり、泣かれて、過去のことを持ち出されたら、母性本能ゆえということを思い出し、変に策を弄さずに真摯に向き合うしかないのでしょう。
「いい夫とは、時に下手をして妻を逆上させる男」いうことばを信じて!
>>>続きの記事があります→ 奥様の怒りには子供時代の過去も関係している 予防策は「小さな気配り」
>>>紹介図書はこちら。『妻のトリセツ』は「はじめに」の6ページだけでも読む価値ありです。
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