このブログで何度か著書の『考えない練習 (小学館文庫)』の一節を紹介した、小池龍之介さんについて最近知ったことの記録です。
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解脱に向かうために修行に入られたことは、なんとなく知っていました。
その後、修業を途中で断念し、僧をやめていたそうです。
詳しい断念の経緯は、出版社のサンガのブログに情報があります。
解脱失敗とその懺悔――小池龍之介さんからの電話 | サンガ-samgha-
この内容をまとめると、以下のようです。
■2018年9月:解脱に到達するために野宿生活の旅に出る
(小池さんの弁)
・90%ぐらいにまで修行が進んでいる
・早ければ1年強、または7年未満には解脱する
■2019年3月:修行断念
(小池さんの弁)
・ほぼ消滅していると思っていた自分の弱さや辛さに直面した
・瞑想ができなくなり、悲しみがたくさん出てくるような状態になってしまった
・自分がもうすぐ解脱できるという妄想になっていたようだ
・90点ぐらいに到達していると思い込んでいたのは誇大な表現で大きな罪であり、みなさんに深く懺悔したい
そして修行を断念した2019年3月に、「懺悔」として5つの音声をYouTubeに投稿しています。
合計99分11秒もの告白!です。
(※5番目まであり)
あまりにも真摯なお話ぶりに、早送りできずにすべてを聞きました。
修行中はどんな状況だったのか、旅に出る前にどんな妄想に囚われていたと気づいたか、2018年頃の著作のこの部分は間違いだったなど、赤裸裸で衝撃的な語りです。
これほどの内容の誰かの懺悔の語りを聞いたのは、人生で初めてです。
その後、旅に出る前に縁が深かった人へのお詫びをしばらく続けていた小池さんは、2019年の7月になって「瞑想のお稽古場」を開くことに決め、現在もこのお稽古場を続けておられます。
>>>家出空間
上のサイトの中に、こんな言葉がありました。
2017年以前の著作にかんしては、良いところばかり書いてあるがままでない、という欠点が感じられるものの、有益に用いてもらえると思います。
私としては、これだけの実直な懺悔ができる小池さんの著作に対して、気持ちを新たにしました。
2010年に単行本が発売になった『考えない練習』は、有益な学びをいただける本としてずっと手元に置いておくつもりです。
以上、小池龍之介さんの現在について知ったことの記録でした。
【参考】
禅僧の佐藤隆定さんが、小池さんの解脱失敗と懺悔について思うこととして、感想を書いてくれています。
曹洞宗の視点からの「悟り」と「修行」についてのわかりやすいお話です。
関心のある方は、ぜひご一読ください。
>>>小池龍之介「解脱失敗とその懺悔」について思うこと - 禅の視点 - life -
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