2014年夏の高校野球での石川県大会の決勝は、星稜高校が奇跡的な大逆転でサヨナラ勝ちをしました。
このとき星稜高校野球部のメンタルコーチだったのが、飯山晄朗さんです。
その著書『いまどきの子のやる気に火をつけるメンタルトレーニング』の中に、この場面で「監督の『笑顔でいこう!』というかけ声に、選手達は満面の笑顔で『はい!』と答え」た、とあります。
絶望的な状況であきらめずに戦えた秘密が、この「笑顔でいこう!」というかけ声だったそうです。
理由は次の通りです。
実は、人間には、表情や動作が身体に影響を及ぼすという性質があります。つまり、表情や動作に酔って、身体の調子を整えることができるということです。
特に、笑顔は強力です。
笑顔をつくると、脳が「この状況は楽しいんだ」と勘違いして、脳幹からドーパミンが分泌され、能力を発揮しやすくなります。
この笑顔の力で、監督と選手たちは、逆境の中でも最後まで諦めることなく、全力を尽くすことができたのです。
なるほど~。
プロ野球やJリーグなどのプロの試合で、負けていて笑っているのはどうかと思いますが、少なくとも高校生までは最後まで笑顔で全力を尽くしてほしいですね。
またこの本によると、この場面で「笑顔でいこう!」のかけ声が力を生んだ背景に、監督の計らいがあったことがわかります。
まず、9回表の相手チームの攻撃に、試合序盤に大量失点して一旦ライトの守備についていたエースが、再びマウンドに送られました。
最後の夏の最終回は、再度エースにチャンスを与えようという監督の計らいです。
エースは見事に期待に答え、三者三振で抑えます。
その裏の攻撃は二番バッターから。
ここで監督は、これまで控えに回って試合に出ていなかった三年生のキャプテンを代打に送ります。
キャプテンは笑顔で打席に入り、四球で出塁します。
次の三番バッターにも、監督は控えに回っていた三年生を代打に送ります。
ここでタイムリー三塁打が出て、この試合で初得点したところから、大逆転劇がはじまったということです。
こういった計らいができて、選手が一つになれるチームを監督がつくっていたからこその、「笑顔でいこう!」だと思います。
さて、私自身と息子について。
入れ込んでいるソフトテニスで、しばらく試合が続きます。
すべてダブルスで、他の子とペアを組みます。私もコーチとして同伴することがありそうです。
息子やほかの子どもたちに、ピンチのときでも「笑顔で行こう!」と言えるような関係を、育てていけたらなぁと思っています。