しあわせ情報室

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スポーツ好きの子どもに親はどう関わる? 見守るかスパルタか 一流スポーツ選手27人の事例集

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私がいま関心があるのは、スポーツ好きの子どもに親がどう関わるか、です。

息子に何かのスポーツでプロになるほどの身体能力やセンスがあるとは、正直に言って思えません。私自身にも、特別に何かを教えられる技術や知識はありません。その中で、どこまでどうサポートするのがいいのでしょうか。 

 

松岡修造さんによると、テニスの錦織圭選手は親が口出ししない見守りタイプ、フィギュアスケートの織田信成さんは母がとても怖いコーチで、本人はやめたくてしょうがなかったとか(『修造本気塾』p119)。  

そこでいくつかの本から、一流スポーツ選手27人の親のスポーツ経験と、スパルタ教育か見守るタイプかの事例を集めてみました。タイプ分けは私が資料から感じた印象です。

結果はバラバラですが、親が経験者で見守るタイプが14人と半数以上でした。全体としては、見守る20人、スパルタ6人、中間1人のようです。

 

 

 

1-1.親が指導者 - スパルタ教育

 

1. 織田信成(フィギュアスケート)

母がインターハイの選手。その後コーチ。
幼稚園でスケートを始める。
母が悪魔か悪霊に取り憑かれていると思うほど厳しく指導(本人の弁)。
(織田信成『フィギュアほど泣けるスポーツはない!』)

 

2.武双山(相撲)

父が国体選手で県の連盟の理事。スポーツ少年団の指導者。
小4で父に相撲をやりたいと願う。
息子のために庭に土俵とテッポウ用の柱をつくる。
毎日朝5時半からと夕方4時半から家で朝稽古。
朝食と昼の弁当を父がつくる。
大人二人分の夕食以上の朝食を食べないと学校に行かせない。
(吉井妙子『天才は親が作る』)

 

 

1-2.親が指導者 見守るタイプ

 

1. 白井健三(体操)

父が高校の体育教師で体操部監督。後に父母で体操教室主宰。
体操教室が忙しく自分の子はほったらかし。
(吉井妙子『天才を作る親たちのルール』)

 

2-1.親が経験者 - スパルタ教育

 

1.井上尚弥(ボクシング)

父が社会人になり子どもができてからボクシングを始め、のめり込む。
小1で父にボクシングを教えてとお願い。
以降父との二人三脚。
父が閉鎖される予定のボクシングジムを引き受け、自分のジムを設立。
母が父に息子のトレーナーを続けさせている。
(吉井妙子『天才を作る親たちのルール』)

 

2. 里谷多英(スキー)

仕事を早く切り上げてくる父と毎日スキー。
冬も夏も父とトレーニング。
父は"めちゃめちゃ怖かった"。
(吉井妙子『天才は親が作る』)

 

3. 永井花奈(ゴルフ)

父が若い頃ゴルファーを目指していた。
仕事の休日に気分転換でゴルフをする父の姿を見てゴルフを始める。
父が娘をプロゴルファーにしたいと熱心に研究し教える。
「褒めて育てるのがあたりまえのこの時代に、僕はいじめて育てた」
(吉井妙子『天才を作る親たちのルール』)

 

 

2-2.親が経験者 - 見守るタイプ

 

1. 錦織圭(テニス)

両親ともテニス好き。
個性的、発想力のあるテニスを自由にさせる。
ほとんど口出しせず見守る。
「かんばれ」とか「勝とうね」も言わない。
(松岡修造『修造本気塾』)

 

2. 杉山愛(テニス)

母は学生時代にバスケットボールとスキーの選手。テニスは趣味程度。
習い事は本人の意志を尊重。
「テニス漬け」の生活にはしない。
プロデビュー後に母がチームディレクター。
後にコーチ兼任。
(杉山芙沙子『一流選手の親はどこが違うのか』)

 

3. 石川遼(ゴルフ)

父が大のゴルフ好き。
父の仕事が休みの週末に一緒にゴルフ。
ゴルフは家族の団欒の時間。
気負いすぎすサポート。
(杉山芙沙子『一流選手の親はどこが違うのか』)

 

4. 宮里藍(ゴルフ)

両親は8歳上の長男が生まれたときにゴルフを習い始めた。
親は家族の団欒として子どもとゴルフ。
学校生活中心の小学校時代。
(杉山芙沙子『一流選手の親はどこが違うのか』)

 

5. 大谷翔平(野球)

父は社会人野球、母はバトミントンで中学高校の神奈川県代表選手。
大谷が小2で野球を始めたときに父もそのチームのコーチに。
父はチームの子供たちに平等に接する。
その後中学まで所属チームのコーチ。
子供の人生の選択には口を挟まない。
(吉井妙子『天才を作る親たちのルール』)

 

6. 石川佳純(卓球)

父母とも大学で卓球部。母は後に実業団や国体の選手。
小1で母に卓球を教えてとお願い。
母自身の練習と卓球教室を開くため卓球場のある家を建てる。
小1から小6まで母や父が練習相手。
中学からミキハウスのチーム入り。
高3で母にコーチを依頼し世界を転戦。オリンピック出場のため。
(吉井妙子『天才を作る親たちのルール』)

 

7. 木村沙織(バレーボール)

母が高校でバレー部。
娘の保育園の保育士に誘われ一緒にママさんバレー。
母についていき、ママさんバレーの仲間が練習相手。
娘とバレーの話をしたことはほとんどない。
(吉井妙子『天才を作る親たちのルール』)

 

8. 竹内智香(スノーボード)

父は乗馬の選手。
子どもの幼少期は両親とも働きづめ。
生活にゆとりが出てから一緒にスキーやスノーボードを楽しむ。
(吉井妙子『天才を作る親たちのルール』)

 

9. 藤浪晋太郎(野球)

父は高校で野球、大学でバスケット。母は高校でバレーボールを経験。
スポーツ好きの子にしたいと子育て。
小1で野球を始めたいと言い、父はまだ早いと反対。
本人が譲らず小1でチームに入り、父もコーチになる。
進路は自分で決めさせる。
(吉井妙子『天才を作る親たちのルール』)

 

10. 松坂大輔(野球)

父は高校野球でピッチャー。
早番勤務の会社員だった父と毎日外で遊ぶ。
息子が小4で野球チームに入ると父も指導者になる。のち監督に。
(吉井妙子『天才は親が作る』)

 

11. イチロー(野球)

父が高校まで野球を経験。
小2から毎日父と野球の練習。
父は小さな工場経営者で午後3時半以降は野球の相手に専念。
イチローが入ったチームで父も監督をする。
(吉井妙子『天才は親が作る』)

 

12. 丸山茂樹(ゴルフ)

父がアマチュアゴルファー。
父が囲碁などの幼児教育を研究。9歳からゴルフを教育。
零細企業の経営者だった父は毎日のように仕事を早めに切り上げ息子とゴルフ。
ひたすら褒めて伸ばす。
(吉井妙子『天才は親が作る』)

 

13. 加藤陽一(バレーボール)

父は学生時代にバスケット。母は高校でバレーボール経験。
母が出産後ママさんバレー選手。
母の練習について行きバレーを覚える。
息子が中学でバレー部に入ると母がコーチとして参加。
試合の時の全員分の弁当を母が作ることも。
(吉井妙子『天才は親が作る』)

 

14. 井口資仁(野球)

父は趣味でバレーボールと野球。母はソフトボール。夫婦共働き。
父は少年野球のチームで監督。
土日は父のチームで練習。平日は母と自宅で練習。
(吉井妙子『天才は親が作る』)

 

 

3-1.親が未経験 - スパルタ教育

 

1. 清水宏保(スケート)

父は足が悪くスポーツ経験無し。
父が独学でスケートを研究し教える。
毎日朝5時半から学校に行くまでと下校後2時間の練習。
本人いわく"「巨人の星」のスケート版"。
(吉井妙子『天才は親が作る』)

 

3-2.親が未経験 - 見守るタイプ

 

1. 宇佐美貴史(サッカー)

学生時代に父は柔道、母はバトミントンを経験。サッカー経験なし。
両親が買い物でJリーグのチケットを当て観戦してからガンバ大阪サポーター。
子どものために団地住まいから小学校のグラウンド近くの一軒家を購入。
住宅ローンのため生活を切り詰め、後に車も売る。
6歳上の長男が中2でサッカーを辞めたいと言い出したことをきっかけに、それまでの子どものサッカーへの叱咤激励を反省し、口出しを一切やめた。
(吉井妙子『天才を作る親たちのルール』)

 

2. 萩野公介(水泳)

父母とも特にスポーツ経験なし。
様々な習い事から子どもが選んだ水泳を父母でサポート。
(吉井妙子『天才を作る親たちのルール』)

 

3. 桐生祥秀(陸上)

父の趣味は空手。
仕事の休日に息子二人と屋外遊び。
(吉井妙子『天才を作る親たちのルール』)

 

4. 宮原知子(フィギュアスケート)

父母ともに医師。
大学で父はラグビー、母は弓道を経験。
両親がアメリカ留学時代に4歳でスケートを始める。
帰国時に両親が指導者を探す。
(吉井妙子『天才を作る親たちのルール』)

 

5. 川口能活(サッカー)

父は学生時代に水泳の選手。
サッカーの指導は学校の部活で。親は特にしていない。
トラックの運転手をしていた父が中学の遠征のバスの運転手を志願。
(吉井妙子『天才は親が作る』)

 

4.見守りとスパルタ教育の中間

 

1. 松岡修造(テニス)

父はテニスのデビスカップ日本代表選手。
父は息子にテニスをさせる気全くなし。
父の口癖は「テニスなんかやめろ」。息子の素質を見抜いてか。
練習や試合を観に来ることはほとんどなし。
月に1回程度、息子にお願いされて練習を見る。
試合に負けたとき、スコアを見て、メンタル面を厳しく怒る。
結局はいつも子どもたちに好きなことをやらせてくれた。
(松岡修造『修造本気塾』)

 

 

まとめ

 

この中で一番の驚きは、松岡修造さんです。いまテレビで見るポジティブで前向きな姿やさわやかな笑顔から、褒められて育ってきたものばっかり思っていました。松岡さんいわく、"心底、父が怖かった"、とは。

 

さて以上の事例から、何らかの答えをまとめようかと思ったのですが、やめました。共通点を探しても意味がないように感じます。

『天才を作る親たちのルール』(吉井妙子)のあとがきには、共通するルールとして「褒め上手」「否定を使わない」とありますが、松岡修造さんの父の口癖は「テニスなんかやめろ」です。織田信成さんは母から「ダメだ!ダメだ!!」とずっと叱られていたそうです。

正解を探すのではなく、私なりに考え抜いていくしかない、と思い至っています。自分や息子に取り入れられるものを学んで、うまくいかなければすぐ修正するのみですね。

 

当面は、『天才を作る親たちのルール』のあとがきのルールにある、"親も一緒に汗を流す" と "子育てを楽しむ" を実践していくこととします。

 

参考図書一覧

 

最後に出てくる、松岡修造さん自身の3人の子育ての話がおもしろいです。長女はセンスがあるのに飽きやすい、息子はやってほしくなかったテニスを選んでしまった、次女は運動音痴タイプだがスポーツ好き、など思い通りにならない子育てを正直に語ってくれます。

 

元プロテニスプレーヤーの杉山愛さんのお母さんの本。自身の経験と、錦織圭選手、石川遼選手、宮里藍選手の両親から話を聞いた内容を大学院でまとめた論文に基づいて、この本を書いています。

 

織田さんは中2で反抗期を迎え、母とは一切口をきかず、怪我もあり半年スケートから離れます。その間にスケートが好きなことに気づき、それ以降は母は何も言わずサポートしてくれたそうです。

 

この2冊はジャーナリストが各家庭にインタビューしまとめたものです。