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子どものスポーツでの 大人の勝利至上主義の問題点

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桑田真澄の常識を疑え!

少し前の話題です。プロ野球の横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手が、勝利至上主義を批判する声を上げています。

 

bunshun.jp

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 もちろん僕も「勝つこと」「勝ちを目指すこと」がダメだと言っているわけではありません。スポーツである以上、勝つのが目的ですし、プロなら当たり前のことです。

 しかし、成長過程の子供たちに、「勝つこと」はそれほど重要でしょうか。いや、むしろ弊害になる場合さえある、と僕は思います。勝つことが絶対的な目標とされる「勝利至上主義」は、いま様々なスポーツの現場で問題視されています。

 勝利至上主義の弊害の一つは、野球が子供たちのためではなく、指導者の実績や功績、関係者や親など大人たちの満足のためのものになってしまいがちな点です。

 少年野球や高校野球、大学野球を含めた子供たちの野球は、3年から4年のスパンで選手がどんどん入れ替わります。そのためチームの実績は実際にプレーをした選手たちではなく、チームと指導者の功績として評価されることになるわけです。

 

 

 

私がこれまで読んできた本にも、勝利至上主義の問題点を指摘する声がいくつもありました。その中から代表的なお二人の考えを紹介します。

 

桑田真澄さん(元プロ野球選手)

 

まずは同じ野球界から、桑田真澄さんのことばを紹介します。

著書の『桑田真澄の常識を疑え! KUWATA METHOD」の中で、「勝利至上主義はもう終わり」(p026)とはっきり書いています。

 

少年野球の目的は、野球を通じて子どもを育てるところにあるはず。子どもたちの無限の可能性を摘むことなく、次のステージに送り出す責任があるんだ。

 

子どもたちの将来を考えたら、アマチュアで大事な試合なんて一試合もない。指導者にはそのくらいの覚悟をもってほしい。

 

特にケガのリスクについて、「子どもが少しでも痛そうにするそぶりを感じたらすぐに大人がやめさせる」と主張します。

 

池上正さん(サッカー指導者)

 

サッカー指導者の池上正さんが著書の『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の中で、コーチや親といった大人の勝利至上主義の弊害について詳しく書いています。

池上さんは「大人が勝ち負けに強く執着するとすべてがマイナスに作用します」とまで言っています。理由は次の通りです。

 

・負けていると下をむいていつも通り動けなくなり、プレーができなくなる。

・前に蹴るだけになったり、ユニフォームを引っ張るようになったりして、技術が磨けず上達しない。

・チーム内に過度の摩擦が起きて、前向きな感情や充実感がなくなる。

 

・チームワークが子どもの中に育たず、サッカーという集団スポーツで体験できるプラスアルファであるべき「和」が学べない。

 

また、勝利至上主義で余裕がなくなった大人の指導によるオーバートレーニングによって、身体面の故障や、精神面の燃え尽き症候群の心配をしています。日本のサッカー界では長時間練習の神話が崩れつつあり、「時間的にも、気持ちの部分でも余裕を持って、集中してサッカーに取り組めている」学校が強くなっているとのことです。

 

 

サッカー先進国に目を向けると、ブラジルやヨーロッパでは、そもそも小学生年代の全国大会がないそうです。特にブラジルは、かつて小学生の全国大会を開催していた時代に、いい選手が育っていなかったので、やめてしまったとのこと。

 

「Jリーグプレーヤーをひとりでもいいから輩出したい」という目標を持つコーチに向けた、次の一節に、池上さんの考えがまとまっていると思います。

 

本当にそうなのであれば、目先の勝利よりも子どもが本当に楽しめているかを優先してください。子どもが楽しめるよい練習、質の高い練習、100%の力と100%前向きな気持ちでプレーできる試合をさせてあげてください。自分で考えてサッカーをやれる子どもたちをたくさん育ててください。そうすれば、おのずと結果はついてきます。そして、その中から、必ず将来プロの世界へ飛び立ってい子どもが出てきます。(p64)

 

「子ども自身が勝ち負けにこだわることは大切だ」、と池上さんは言います。練習では勝ち負けがあるメニューをたくさんやらせるそうで、「勝ち負けが決まるゲームをたくさんすると非常に集中し、どうしたら勝てるかということを自分で考えるようになり、子どもは上達します」、とあります。

 

まとめ

 

実はこの週末、息子がソフトテニスの1対1の試合形式の練習で、同学年の子の二人にコテンパンに負けました~!。

眼の前でわが子が負けると、心は正直のところ落ち着いていられません。いろいろと小言を言いたくなります。今回は、直前に池上さんの本を読んでいたので、ぐっとこらえました。親も修行ですね。

 

子ども自身が一生懸命がんばり、勝ち負けにこだわる心を育て、応援しつつも、フェアプレーの精神を伝え、過度な練習にはブレーキをかけられる、そんな親でいられたら理想かな、と思っています。

 

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