北野武著『新しい道徳』の教え 道徳を他人まかせにするな!

北野武さんの著書『新しい道徳』から学んだことを紹介します。

いきなりあとがきですが、武さんはこう書いています。

「道徳を他人まかせにしちゃいけない。それがいいたくて、この本を書いた」

学校で道徳を教育することに、こうツッコミます。(以下ページは新書版のもの)

道徳なんてものは、権力者の都合でいくらでも変わる。
少なくとも、いつの時代も、どんな人間にとっても通用する、絶対的な道徳はないっていうことは間違いない。(p116)

言われてみれば、確かにそうですね。

まさに今、息子が学校で道徳を習っていますので、タイミングを見て息子とこの武さんの言葉を話してみたいところです。

武さんは「権力者の都合」の例として、「GAFA」にこう切り込みます。

カネを握った奴が、社会のカタチをどんどん変えていく。(p72)

IT企業は、戦国大名みたいなものだ。
世界中の人がインターネットを使うようになって、そこに新しい領土が生まれた。
その領土を奪い合う戦争をしているわけだ。(p77)

アマゾンだアップルだグーグルだなんだと、本来は全然土俵が違うはずの企業が、まるで組んず解れつしながら奪い合っている領土というのは、いったいどこにあるのか。(p78)

彼らが奪い合っている領土とは、つまり俺たちだ。(p78)

俺たちは現代の戦国大名たちに税を納めている。(p79)

「GAFA」については、『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の日本での出版は2018年7月

『新しい道徳』の出版は2015年9月

その時点でこの指摘は、お見事だと思います。

一方で、「あいさつと礼儀」にはこう言います。

俺も、弟子にはあいさつと礼儀だけは、厳しく教える。
だけどそうするのは、弟子を良心的な人間にしようとしているからではない。
芸人として生きていくには、円滑な人間関係は欠かせない。
だから、あいさつはきちんとしなきゃいけないと教える。
それは、弟子の良心とはなんの関係もないことだ。(p118)

あいさつは人間関係を円滑にするためのひとつの技術だ。 (p120)

あいさつを単に「気持ちがいいから」と思考停止せず、「人間関係の技術」としています。

また、「食べ物」については、こうも書いています。

飢えて死んでいく人がいるのに、食べ物が旨いだの不味いだのいうことを不道徳と感じるというか、抵抗を感じるというのは、ある年齢以上の人間にとっては当たり前のことなのだ。

こんな、武さんが自身が考える「道徳」には、考えさせられるものがあります。

こういった内容の上で、子どもに必要な道徳教育をこうまとめます。

本当に必要な道徳教育は、子どもたちにできる限りの真実を教えてやることだ。
人間の抱えている矛盾や問題をごまかさずに、だ。(p182)

10代の息子とこれから向き合う上で、大切にしたい教えです。

以上、北野武さんの著書『新しい道徳』の紹介でした。

広く世の中について大人が自分の頭で考えて、子どもと本音で向き合うための助けになる一冊です。

※『新しい道徳』は現在幻冬舎文庫になっています。

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