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息子が小学校で学んでいる「人生という教科」

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学校が休みになり、家で勉強している息子の道徳教科書みんなの道徳』がふと目に入ります。

開くと、こんな詩から始まっています。

人生という教科

だれも問題を出してくれない
だれも答えをみてくれない
君はもう、そんな教科を学び始めただろうか

自分で問題をつくり
自分でその問題を解いていく
それが他の教科と
人生という教科の一番の違いだ

四つの例文の中に
一つも答えがなかったり
四つの例文が
ぜんぶ正解だったりすることもある

大橋政人 人生という教科

大橋政人さんの詩の冒頭です。

息子は小5で、正解のない問題を考えている!

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世の中のほとんどの正解はわかっていない

小学生の頃の私を振り返ると、道徳の時間では、先生や親に褒めてもらえるような正解があると思い、そればかり考えていました。

自分の素直な気持ちは二の次です。

この考えのまま中学生、高校生、大学生と進み、社会に出てもどこかに正解を探していました

正解のない問いがあることをやっと実感できたのは、46歳で『東大教授が教える独学勉強法』のこのことばを読んでからです。

学問に限らず、世の中のほとんどのことについて、何が正解なのかよくわかっていないのです。

息子が学校で習った大橋政人さんの詩のことばが、10歳の私に投げ込まれ、深く考えていたら、また違った人生だったかも。

少なくとも大学の4年間は違ったものになったかもと思ってしまいます(いいも悪いもかな…)。

『ニュータイプの時代』

山口周さんが著書の『ニュータイプの時代』で語る、これからの社会で評価される能力のうち最初に登場するのが、「問題を解くよりも『発見』して提案する」力です。

まさに、大橋政人さんの詩の「自分で問題をつくり、自分でその問題を解いていく」の教えそのものではないですか!

日本の今の小学校の教育はなかなかのものでは?

『新しい道徳』(北野武)にある心配は無用なのか?

北野武さんは『新しい道徳』に、「誰かに押しつけられた道徳に、唯々諾々と従うとバカを見る」「いつの時代も、どんな人間にとっても通用する絶対的な道徳はない」と書いています。

授業の様子を息子に聞くと、題材を読んでみんなが自由に意見や感想を言って、それについてまたみんなで考えて、先生が一方的に価値観を押しつけるようなことはないようです。

『新しい道徳』にあるような心配は、しなくてよさそうです。

まとめ

この教科書の他の題材は、ケニアのノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんが「もったいない」という日本語に感動した話、ブータンの紹介、ビクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』など。

大人の私が読んでも簡単に答えは出ない、骨のあるものがそろっています。

今回の新型コロナウイルスによる非常事態宣言で、未来の確かな予測はできないことを思い知りました。

今の世の中が、息子が20歳になる10年後にどうなっているか、誰にもわかりません。

息子がこの『みんなの道徳』の教科書で学んで、自分で問題を見つけていくマインドを身につけてくれたら、親としてうれしいです。

以上、息子の道徳の教科書を見た感想でした。

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