佐藤航陽さんの著書『お金2.0』にこんな言葉があります。
「人間は他者との比較の中で自分が幸福か不幸か、優れているか劣っているかを判断する相対的な生き物です」
でもよく考えれば、これは心の中にある目に見えないことなので、すべての人にあてはまる唯一の正しい答えではないはずです。
よって
です。
私はこの考え方を乗り越えていきたいですし、子どもにも乗り越えることを教えられるようでありたいと思います。
そうはいっても今後、ついつい他者と比較しうらやましいと感じることもあるでしょう。
そんなときに立ち止まり、考え方を変えるために、いくつか本から教えの言葉を記しておきます。
ブッダのことば(岩波文庫 中村元 訳)
犀の角のようにただ独り歩め。
「犀の角のごとく」というのは、犀の角が一つしかないように、求道者は、他の人々からの毀誉褒貶にわずらわされることなく、ただひとりでも、自分の確信にしたがって、暮すようにせよ、の意である。(註より)
「ただひとりでも、自分の確信にしたがって暮らす」ならば、他者との比較は関係ありません。
7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)
自分の価値観に従って生活すれば、(中略)他者の意見や他者との比較からではなく、自分の内面から自分自身を定義できる。正しいか間違っているかは他者が決めるのではなく、自分で判断できるようになるのである。
そもそも息子を他の子と比較するのは私たち夫婦の基本的な価値観とは相容れないはずだった。そんなことは条件つきで子どもを愛するようなものであり、息子の自尊心を傷つけるのは間違いない。(中略)息子を変えようとせず、一歩離れて距離をおき、彼に対する私たちの見方から離れて、彼自身の本質、独自性、一人の人間としての彼本来の価値を感じ取ろうと努力した。
「自分の価値観に従って生活」できれば、ここでも他者との比較は関係ありません。
嫌われる勇気(岸見一郎 古賀史健)
人生は他者との競争ではない。
誰とも競争することなく、ただ前を向いて歩いていけばいいのです。
健全な劣等感とは、他者との比較の中から生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。
いまの自分よりも前に進もうとすることにこそ、価値があるのです。
対人関係の軸に「競争」があると、人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れることはできません。
以上、哲人のことばから。
「人生は他者との競争ではない」と深く理解できるか、問われているようです。
子どもが育つ魔法の言葉(ドロシー・ロー・ノルト)
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる。
そもそも、他人と自分とを比べること自体は避けられないことです。実際、自他を比較することなく生きるのは不可能です。自他の違いを認識してこそ、物事を見る目が養われるのです。子どもも、自他の違いに気づくことから、批判能力を育ててゆきます。問題なのは、違いを認めた後、わたしたちがどう思うかなのです。人を羨み、嫉妬してしまうか、そうはならないか、ということなのです。
自分の不完全さを受け入れ、己の幸福を幸福とする親の姿が、子どもにとっては何よりの手本になるのです。
なるほど、自他を比較することなく生きるのは不可能だと。
「問題なのは、違いを認めた後、わたしたちがどう思うか」「人を羨み、嫉妬してしまうか、そうはならないか」なんですね。
以上になります。
今後も思い出したり見つけたりしたら、また追記していきます。