『夜回り先生 原点』は 夜の世界やひきこもりなど子どもの問題を実例で学べる本

夜回り先生 原点』は、前に『約束』という本を紹介した水谷修先生の新著です。

水谷先生の三歳からの生い立ちと出会いが書かれています。

先生はこの中で、子どもやその家族を助けたことだけでなく、何もできなかったことや恨まれたこと、また現在、できずにいることや恨まれていることを、ありのままに書いています。

冒頭にはこの本を出版する理由があります。

 運のいい何割かの人は、偶然にも恵まれた環境の中、愛に満ちた家庭の中に生を受けるかもしれません

 そんな恵まれた人にはこの本は必要ないでしょうし、知らないほうがいい世界かもしれません。でも、ぜひ読んでほしいと考えています。

 ただし、「かわいそうな子がいるんだ……」と涙をながすことなく。この世界、同じ太陽の下でこうして苦しんでいる人がいるという事実に気づいてほしいのです。

 この本を書くことは私自身の生き恥をさらすことでもありました。でも、今こそ悩み苦しむ多くの子どもたち、大人たちに伝えたかった。

 私もみなさんと同じく悩み苦しんでいるのです。だから、人生を必死で生きてるのです。

そしてふとしたきっかけで、夜の世界、貧困、ひきこもり、虐待、リストカットなどの問題に子どもが陥る危険があることが、実例で学べます。

語られる事例は『夜回り先生 (小学館文庫)』『夜回り先生と夜眠れない子どもたち (小学館文庫)』の二冊と同じですが、それぞれに現在の状況が追記されていて胸を打たれます。

特に、水谷先生が夜間高校の先生になるきっかけとなる大ゲンカをした友人との現在については、読むと胸が苦しくなります。

また本書には、水谷先生自身とお母さんの関わりも多く書かれています。

読むと、私自身の親との関わりはどうだったのか、思い出さずにはいられなくなります。 

私の親は二人とも、「生きる」ことには不器用でした。今も苦労しています。でも、父は父なりに、母は母なりに、精一杯私を愛してくれたことをこの本を読んで思い出しました。

私もその思いを両親から受け継いで、息子だけでなく身近にいる子どもに、やさしい言葉をかけられる大人でいたい。

本書の最後に、水谷先生は言います。

「いいんだよ」

 私にだけは許されない言葉です。

「許されない」のか「許される」のか、「許さない」のか「許す」のか、だれにとっても難しいところです。

水谷先生の経験が深く重すぎて、簡単なことは言えません。

 一言、水谷先生の本を読んで、子育て中の親の一人である私がたくさん学んでいるということに、感謝を申し上げます。

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