JAFの会員誌『JAFMate 2019年11月号』にあった、哲学者の鷲田清一さんのコラム『幸せって 何だろう』から、しあわせについて学ぶことばの紹介です。
鷲田先生はまず、ヴィクトール・フランクルの著作『夜と霧』から、ナチス時代の強制収容所で生き延びた人たちは希望を極小にし、気がかりを小刻みにすることで絶望を小さくしたという話を紹介します。
こう書いています。
希望を小刻みにすること。私はこれがじつは人が幸福になるための算段としていちばんいいのではないかと思っています。
「幸せって何?」と問うても幸せになれるわけではありません。いや、そう問うているうち、不幸の影を意識することも増えていきます。それよりも、「ああ、いいなあ」と思えた体験をたとえ小さくても大事にして、不幸という影を減らすようつとめることのほうが大事だと思います。
ここで言う、
「希望を小刻みにする」
「希望を極小にする」
「視野をあえて狭くする」
「気がかりを小刻みにする」
は、いろいろと応用できる考えです。
例えば、
「遠い将来よりも、今日何をするか、目の前の5分で何をするかを考える」
「手帳に大きな目標を書くよりも、小さな目標をたくさん書く」
「息子に小言を言うよりも、一緒にいる今この時を大切にする」
「世の中の人よりも、目の前の人を喜ばせることを考える(奥様とか…)」
などです。
今日から11月。そろそろ今年も終わりです。
今年できなかったことを思い返すより、まずは極小でもできたことを振り返り、これからしたいことを小刻みにしようかな、と考えています。
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